BBC News

2021年10月13日

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主要20カ国・地域(G20)は12日、武装勢力タリバンが復権したアフガニスタン情勢に関する緊急の首脳会議をオンラインで開催し、同国の経済的大惨事を回避すると約束した。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、アフガニスタンを「大混乱に陥らせて」はいけないと述べ、ドイツが6億ユーロを拠出すると改めて表明した。メルケル氏は新政権が発足次第、政界を引退するとしている。

アメリカのジョー・バイデン大統領は、経済援助は独立した国際機関を通じて行われるべきであり、アフガニスタンを支配するタリバンに直接提供されるべきではないと強調した。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、アフガニスタンと難民を受け入れている近隣諸国に10億ユーロ(約1300億円)を提供すると約束した。

国連は世界各国の指導者に対し、アフガニスタン経済に数十億ドルを投入するよう求めている。

各国首脳は何と

メルケル氏は、「アフガニスタンの通貨制度全体あるいは金融制度が崩壊したら、私たちは誰も得をしない」と記者団に語った。

「そうなれば人道的援助は提供できなくなる。もちろん限界を設けることは決して簡単ではないが、電力供給や金融制度がないために約4000万人が混乱に陥るのを傍観することは、国際社会の目標としてはあり得ないし、あってはならないことだ」

メルケル氏はまた、タリバンは援助を提供するすべての国連機関に対し、アクセスを許可しなければならないとした。少女や女性の権利が尊重される必要性も強調した。

G20サミット議長国イタリアのマリオ・ドラギ首相も、メルケル氏と同様の言葉を繰り返した。

ドラギ氏は、G20加盟国はタリバンと接触しなければならないが、同組織をアフガニスタンの政府として承認したわけではないと述べた。

中国の習近平国家主席やロシアのウラジーミル・プーチン大統領は出席を見送り、代わりに代表団が参加した。

すべてのG20首脳はそろわなかったが、ドラギ氏は参加者全員がより多くの援助を提供する必要性に同意したと述べた。

各国首脳はさらに、アフガニスタンがイスラム原理主義の過激派組織アルカイダやイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などの拠点となるのを防ぐ方法や、アフガニスタンからの脱出を希望する外国人やアフガニスタン人に安全な通行を提供する必要性についても議論した。

G20サミットに先立ち、米政府関係者とタリバンは9日、カタールの首都ドーハで会談した。8月末の米軍撤収以来、両者が対面で協議するのは初めて。人道支援の提供やテロの懸念、外国人の避難などについて話し合われた。

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「食べるものがない」

アフガニスタンが深刻な人道的危機に直面している中、G20はこの問題に対処することで一致した。

複数のアフガニスタン人がBBCに困難な状況について語っている。

「何も見つけられないし、見つけられたとしても値段が高すぎて手が出せない」と、退職した男性は語った。「去年給料が支払われたはずなのに、まだ受け取りを待っている状態だ。子供たちも食べるものがない」。

北部の町タハールの公務員は、役人が給料の支払いについてうそをついていると訴えた。

「私は何も受け取っていない」と、この男性は述べた。「この政府はいったい何なんだ。職員が仕事に行かなければ、苦情が出て調査が行われるだろう。でも、給料が支払われないのにどうやって生きていけるというんだ」。

公共サービス崩壊の恐れ

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、先月スイス・ジュネーヴで開催された会議で、アフガニスタンの貧困率が急上昇し、公共サービスの崩壊が近いと警告した。

世界銀行によると、アフガニスタンの国内総生産(GDP)の約40%は援助に頼っている。

アメリカは8月15日にタリバンがカブールを掌握した後、アフガニスタンの中央銀行の保有資産約100億ドル(約1兆1000億円)を凍結した。

カブールで取材するBBCのジェレミー・ボウエン記者は最近、同市の貧困層にとっての最優先事項は飢えをしのぐことだと報告した。

(英語記事 World leaders pledge to avert Afghan catastrophe

提供元:https://www.bbc.com/japanese/58893394

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