2024年11月22日(金)

ヒットメーカーの舞台裏

2013年1月14日

 鈴木は、実家がお寺だったことから仏教学部を卒業したものの「モノづくりに携わりたい」と、商品に馴染みの深かったキングジムに入社した。しかし、人事担当者から「営業に向いている」と見込まれ、配属されたのは東北6県をカバーする仙台営業所だった。

 その後、東京支店勤務となり、結局営業部門には16年従事した。商品企画の仕事をしたいという希望が叶ったのは10年だが、あらゆる営業の形態を経験し、社内外に築いた人脈は、現職での大きな財産となっている。営業現場の声をしっかり聴きながら「お客様を感動させうるオンリーワンの製品を送り出したい」。遅れてやってきた企画マンのこれからが楽しみだ。(敬称略)

■メイキング オブ ヒットメーカー鈴木信雄(すずき・のぶお)さん
キングダム 商品企画部マーケティング課リーダー

1970年生まれ
神奈川県横須賀市に生まれる。実家は曹洞宗のお寺で、裏山の斜面に墓が並んでいた。裏山で友人とかくれんぼをしたり、クワガタを採ったりして遊んでいた。法事の際には、お茶を運ぶなどして家業の手伝いもしていた。
1982年(12歳)
曹洞宗の教えを学ぶために、中高一貫校の世田谷学園に通う。山登りやハイキングが好きだったため、学校では自然や動物観察を行うクラブ活動に熱中する。家業を継ぐかどうかは悩んでいたが、大学も曹洞宗系の駒澤大学仏教学部に進学した。僧侶の資格である「僧籍」も取得したが、企業への就職を選んだ。モノづくりに興味があったため、メーカーを中心に就職活動に取り組む。実家でキングジムのファイルなどを使用していたこともあり、同社への就職を強く希望するようになった。
1993年(23歳)
キングジムに入社。仙台営業所で10年勤務し、販売代理店や有力販売店の営業活動に従事する。その後東京支店に配属。私生活では、アウトドアやオートキャンプに熱中し、専門誌の表紙を飾るまでになった。千葉県内にログハウスを建て、家族と暮らしている。
2010年(40歳)
念願の商品企画部に配属される。「オフィス環境改善用品」と呼ばれるジャンルの商品開発に取り組む。

(写真:井上智幸)

[特集] ヒットメーカーたちの物語

◆WEDGE2013年1月号より

 

 

 

 

 

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