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2021年12月11日

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髙井康行

東京靖和綜合法律事務所 弁護士

1947年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、72年に検事任官。福岡地検刑事部長、横浜地検特別刑事部長、東京地検特捜部検事としてリクルート事件を捜査。97年に退官し、弁護士登録。政府の有識者会議「裁判員制度・刑事検討会」委員を務めた。

米国に続いて、欧州各国が続々と表明する2022年の北京冬季五輪への〝外交的ボイコット〟に対し、12月10日現在、日本政府は態度を明らかにしていない。だが、振り返ってみれば、中国による新疆ウイグル自治区への弾圧に対しても、「深い懸念」の表明にとどまるなど、いつも日本政府の態度は〝不徹底〟である。日本政府の軟弱ぶりがいつまでも認められるはずはない。もっと言えば、確たる平和をつかむ憲法を持たなければ、日本は今後、世界から見放されてしまう。「Wedge」2021年8月号に掲載され、好評を博したオピニオン「現行憲法はもはや限界 日本は確固たる抑止力を持て」の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。

 1994年、中華人民共和国(以下、中国)の李鵬首相(当時)は、オーストラリアのジョン・ハワード首相(当時)に対し、「日本の繁栄は一時的なあだ花で、20年後には国としては存在せず、中国か韓国、あるいは朝鮮の属国にでもなっているかもしれない」と発言したことがある。幸いなことに、それから27年後の今日、日本は、未だ独立国として存在し、世界第3位の経済規模を維持している。

 一方、中国は、この27年の間に異形の大国となり、相対的に力が後退しているアメリカを西太平洋から駆逐することを目指して軍事能力を増強している。仮に、将来、中国が目指すところが実現するようなことになったら、最悪の場合、日本は、西、南、東は中国に取り囲まれ、北からはロシアの圧迫を受けることになりかねない。

 覇権主義、専制主義の中国とロシアに包囲されれば、李鵬氏の予言も現実味を帯びてくる。そのような事態を避けるため、日本は、自由主義・民主主義・法の支配という普遍的価値観の強い担い手となり、同じ価値観を共有する欧米諸国との連携をより堅固にして、覇権主義、専制主義の国と毅然と対峙していく以外に途はない。

自由民主主義という同じ価値観を共有する欧米諸国との連携を強化し、毅然とした態度をとる必要がある(POOL/REUTERS/AFLO)

 今、日本の提唱した「自由で開かれたインド太平洋」という概念がアメリカ、インド、オーストラリアの賛同を得てクアッドの枠組みが動き始め、これに、イギリス、フランス、ドイツなども参加しつつある。まことに歓迎すべき状況と言えるが、ここで気になるのは、日本政府の「新疆ウイグル自治区」の状況に対する態度である。

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Wedge 2021年8月号より
あなたの知らない東京問題
あなたの知らない東京問題

東京と言えば、五輪やコロナばかりがクローズアップされるが、問題はそれだけではない。

一極集中が今後も加速する中、高齢化と建物の老朽化という危機に直面するだけでなく、

格差が広がる東京23区の持続可能性にも黄信号が灯り始めている。

「東京問題」は静かに、しかし、確実に深刻化している。打開策はあるのか─。

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