また、米国は、軍と治安当局との関係を緊密化すべきである。政府が信頼できない場合は、部族の長や、民族団体との関係を強化すべきである。そして経済の自由化と発展を援けるべきである。
イスラミストが、アラブの革命をハイジャックするのを防ぐことは、アメリカの国益であり、また米国の同盟国およびほとんどのアラブ諸国にとって必要である、と述べています。
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上記は、ヘリテージ財団の中東専門家による長文論文の紹介ですが、事実関係を良く網羅しています。特に鋭い分析があるわけではありませんが、憂慮すべき事態を列挙し、問題点を指摘した論文と言えます。
米国としては、その価値観から言って、また、建前上あるいは国内政治上、従来の独裁的政権でなく、選挙で選ばれた政権を尊重せざるを得ないでしょう。それを補う手段として、軍や情報機関との密接な関係を維持し、国内の親米的な勢力と結ぶことは、米国が従来やって来たことですが、その点を改めて強調している点は有意義と言えます。
いずれにしても、アラブの春が、安定した民主主義を生むということは、少なくとも短期的には望むべくもないのでしょう。
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