2022年12月8日(木)

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2022年1月19日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

フォードに比べても印象が薄い

 米国でのGMの最大のライバルであるフォードは、「マスタング」の「マッハE」というEVモデルがそれなりに好調(昨年上半期の売上は1万1068台)、また「F150」ピックアップトラックのEVバージョン、「ライトニング」を発表したときは就任間もないバイデン大統領がフォード工場を視察に訪れ、自ら試乗したことも話題となった。

 今回GMが「シルバラード」をラインに加えたのは、加速するEVピックアップトラック市場に遅れを取るまい、という考えからだ。米国ではピックアップトラックや大型SUVの売上が全体の過半数を占め、ベストセラーである「F150」は乗用車のベストセラーである「トヨタカムリ」の倍以上も売れている。

 長年「F150」と「シルバラード」はトップセールスを争ってきたが、ここに今年から「テスラサイバートラック」や「リビアンR1T」といったスタートアップによるピックアップトラックのEVが参入する。特にサイバートラックには現時点で125万台もの予約が入っている。フォードが「F150ライトニング」の開発を急いだのにはそれなりの理由があった。

 GMはこれらのEVピックアップとほぼ同様のスペック、価格を揃えて「シルバラード」のEVバージョン投入を発表したのだが、市場に与えるインパクトという点では弱い。これまでのEVピックアップはそれなりに話題になっただけに、後出しでなんとか同レベルのものを揃えた、というイメージが拭えないためだ。

 「エキノックス」にしても同社のボルトのシェアを食う存在にしかならないのでは? と思わせられる、際立った魅力というものが感じられない。フォードが人気車種である「マスタング」を投入したのと比較すると、せめて「コルベット」、「カマロ」といったモデルで勝負できなかったのか、という印象になってしまう。

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