2024年7月23日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年2月7日

 2011年12月に金正恩が政権を握って以降、軍の経済面での重要性は、むしろ高まっている。金正恩が改革を唱えているのは本心かも知れないが、軍の経済的役割が減少しない限り、2013年は北朝鮮国民にとって良い年とはならないだろう、と論じています。

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 筆者のジョン・リーは、中国専門家として知られる人物です。北朝鮮における軍の経済的役割の重要性について具体的な数字を挙げて論じているのが興味深いです。

 金正恩は新年の辞で経済強国建設と人民生活向上を今年の二大目標に掲げていますが、リーが指摘する通り、改革の具体策についての言及はありません。

 石炭、電力、金属、鉄道の四大先行部門を重視し、農作業に力を集中し農業の科学化・集中化を進め、軽工業部門の原料・資材供給対策を進め、全般的科学技術を世界的水準に高めることに努め、経済指導・管理を改善すると言った従来型の方針の羅列が見られるだけです。当面出来ることは、経済改善の為の軍民の動員と外資導入程度に留まるのではないでしょうか。

 農業について収穫の3割を農民の自由処分にする案が検討されているとの噂が一時流れましたが、その後、具体化の動きは見られません。

 新年の辞で、金正恩が経済管理を絶えず改善し、良い経験を広く一般化させるべきであると述べていることに注目し、金正恩が改革を目指している証拠であるとする向きもありますが、現段階では深読みに過ぎると言えます。

 何れにせよ、農業、鉱工業の本格的改善のためには、相当の資源の投入が必要で、外国からの支援が不可欠となります。

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