2022年7月6日(水)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年3月15日

»著者プロフィール
著者
閉じる

鶴岡路人 (つるおか・みちと)

慶應義塾大学総合政策学部准教授

1975年生まれ。98年慶應義塾大学法学部を卒業。ロンドン大学キングス・カレッジで博士号取得。防衛省防衛研究所主任研究官などを経て現職。東京財団政策研究所主任研究員を兼務。著書に『EU離脱』(ちくま新書)。

 第二に、関与する国が増加した。従来は英仏にほぼ限られていたが、ドイツやオランダもアジアに艦艇を派遣する予定だ。他国の艦艇に装備や要員を派遣する「クロス・デッキング」を活用すれば、参加できる国の数はさらに増える可能性がある。より多くの国が関心を有しているとのメッセージを発信することは重要だ。

 第三に、欧州諸国のインド太平洋関与には、米国との協力の深化がみられる。英空母打撃群は実質的に「英米合同」であり、艦載機の半数以上が米海兵隊のF35Bであるほか、米海軍駆逐艦も参加する。今回は、空母を伴う米英の共同行動を西太平洋において確認する意味がある。仏潜水艦の展開に対しては、米インド太平洋海軍がグアムなどで全面的に支援した。

欧州の艦艇派遣の背景にある
対中考慮と対米考慮

 欧州諸国がインド太平洋、特に日本にまで艦艇を派遣する背景に、アジアの安全保障環境への懸念の高まりがあることは明白だ。航行の自由や紛争の平和的解決といったルールに基づく国際秩序自体が挑戦を受けているとの認識がある。

 欧州の対中警戒感の強まりは、注目すべき現象だ。技術流出や新型コロナウイルス感染症関連に加え、……

◇◆◇ この続きを読む(有料) ◇◆◇

◇◆◇ 特集の購入はこちら(有料) ◇◆

 
 

  
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

Wedge 2021年6月号より
押し寄せる中国の脅威
押し寄せる中国の脅威

「中国の攻撃は2027年よりも前に起こる可能性がある」─。

アキリーノ米太平洋艦隊司令官(当時)は今年3月、台湾有事への危機感をこう表現した。

狭い海を隔てて押し寄せる中国の脅威。情勢は緊迫する一方だ。

この状況に正面から向き合わなければ、日本は戦後、経験したことのないような

「危機」に直面することになるだろう。今、求められる必要な「備え」を徹底検証する。

関連記事

新着記事

»もっと見る