2024年4月26日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年4月1日

 バイデン大統領は、3月10日、尹錫悦の勝利宣言の5時間後に早速電話で会談した。その中で特に日米韓の3か国協力の重要性を強調したという。

 3月11日には岸田文雄首相・尹電話会談も行われた。新政権の発足で直ぐに日韓関係か改善されるとは思わないが、基本的に韓国による問題解決が必要であり、そのために日本側もできることはすることが重要である。政権交代の機会を逃してはならない。新大統領の早期訪日も考えるべきだろう。

選挙結果から見える韓国の〝今〟

 3月9日の大統領選挙の結果について、注目した点などは次の通りである。

(1)最後まで接戦だった。当確が出たのは、3月10日の午前3時過ぎだった。僅差になれば訴訟も起きるのではないかと懸念されたが、李在明はなぜかすんなり敗北宣言を出した。

(2)尹錫悦の勝利は非常に僅差だった。尹錫悦48.56%、李在明47.83%で、その差は0.73%であり票数では約24万7000票である。

(3)投票率は77.1%で、その内、期日前投票は過去最高の36.93%だった。全有権者約4420万人であり、そのうち約1632万人が期日前投票をしたことになる。

(4)今回、尹錫悦の勝利に貢献したのは、20~30歳代の特に逆差別に不満を持つ男性有権者だった。女性有権者は革新に投票したと見られている。地域的には、革新の票田地域といわれる全羅道で、保守が得票数を増やした。また、ソウル市の有権者が尹氏支持に回ったと分析されている。その他は従来通りの地域特性に沿った結果となった(すなわち全羅道、京畿道、済州は革新が、慶尚道、忠清道、江原道は保守が勝った)。

(5)今回同時に行われた5の国会議員再選挙・補欠選挙でも、保守「国民の力」は4の選挙で勝利、「圧勝」した。その点も踏まえ、朝鮮日報の社説は、尹氏の僅差の勝利にもかかわらず、国民は変化を求めていると結論づけたのであろう。

   
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