話し手・中原 淳
聞き手/構成・編集部(川崎隆司)
編集部(以下、──)今後の国際市場の中で、日本企業が業績を上げ、成長していくためには、どのような「人材」を育てていくべきか。
中原 端的に言えば〝自ら学び、自ら変化し続けられる人材〟だ。
「グローバル人材」や「DX(デジタルトランスフォーメーション)人材」など、日本では時流に乗じた流行り言葉によって企業の求める人材像が移り変わってきたが、そういった短期的な視野で人材育成を考えることはもうやめよう、と言いたい。
「自社の事業を伸ばすために何が必要か」は企業によって千差万別だ。デジタルやAIの知識が本当に必要ならば学べばいいが、なんとなく流行に流されて取り入れようとしても他社との差別化は図られず、事業の成長に直結する人材は育たない。また、肝心の従業員本人がその必要性を感じていなければスキルも身につかない。
テクノロジーの進展が加速し、顧客や市場のニーズも移ろいやすい現代において、従業員自らがそういった変化を感じ学びながら、必要なスキル・知識をアップデートし続けることこそが、企業の強みとなる時代だ。