2022年6月30日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年4月4日

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 戦後体制につきロシアと中国を入れなければ失敗するとの指摘については、侵略者であるロシアをこうした体制にすんなり入れることが受け入れられるかどうかは難しいところだ。中国がロシアに加担する場合は、中国も同様である。ロシアは核保有国であり安保理常任理事国であることも大きなジレンマとなる。他方、ロシアに明確な責任を取らせることは必要である。

楽観的なトーン消える停戦交渉

 ウクライナ侵略から約1カ月半が過ぎた。ウクライナとロシアの停戦交渉は、今も続いている。それ自体は良いことだが、一時期双方から出ていた楽観的なトーンはその後消えた。

 ウクライナは、新たな安全保障枠組みの設定を条件にNATOへの加盟は何らかの譲歩をするように見えるが、非軍事化など彼我の立場の乖離はどうしようもない程かけ離れている。その間ロシアはミサイル(しかも非誘導性のものが多いという)を中心に重要都市攻撃等を続けている。

 ロシアの当面の最重要軍事目的は、マリウポリ(重要港町)を掌握し、ドネツク州などとクリミアを結ぶアゾフ海沿岸地域全域の掌握を達成し、この地域の経済的一体性を完結することであろう。ロシアはウクライナにマリウポリの明け渡しを要求したが、ウクライナは拒否した。

 なお、和平交渉について、米国の一部に、ゼレンスキーの意図が見えないとの不安があるとの報道がある。軍事状況は、多くのところで膠着、消耗戦に移りつつあると見られている。戦闘の長期化はゼレンスキーにとり良いことではない。それにつれて市民の犠牲が拡大している(厳しい生活、負傷・殺戮、ロシアへの強制移動など)。人道状況は悲惨である。

  
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