エコノミスト誌3月12日号は「プーチンの独裁:ロシアのスターリン化。ウクライナで勝てないことが明らかになる中、プーチンは国内の弾圧に頼っている」との社説を掲載している。社説は、「プーチンは1939年以来、欧州で初めて侵略を行ったばかりでではなく、その結果として彼は国内で自身を独裁者にし、嘘、暴力、被害妄想(パラノイア)に頼る21世紀のスターリンになった」と厳しく糾弾する。
そして社説は、「プーチンは、スターリンのようにロシアの近代化のエンジンであるブルジョアジーを破壊している」、「スターリンは成長する経済を持っていた。如何に殺人的でも彼には本当のイデオロギーがあった。彼は酷い暴力を行使したが、ソ連帝国を固めた」、「プーチンにはこれらの有利さの一つもない。彼は国民を貧乏にし、選択による戦争に勝てないのみならず、彼の政権はイデオロギーを欠いている」と指摘、プーチンが如何に大きな失敗を犯しているか論じている。
この社説の内容には、おおよそ賛成できる。ウクライナ戦争の帰趨はまだ見通せないが、たとえキエフがロシアの占拠下に置かれ、ゼレンスキーまたは別の人が西側で亡命政権を作る事態になっても、ロシアはウクライナを帝国の版図に組み入れることにはならないだろう。こういう大義なき戦争、戦争目的も戦争の実態も嘘で固められた戦争はロシア国民の支持も得られず、失敗すると思われる。
ただ、そういう結末になる前に、ウクライナ国民は非常に大きな苦痛、犠牲を被ることになる。しかし、そういう試練を経て、ウクライナは真の独立国になるのであろう。
プーチンは国際刑事裁判所で戦犯として裁かれなければならない。そのための証拠はいくらでもある。病院やアパートなど民間施設を標的とした攻撃はいたるところで行われている。マウリポリの産科病院には病人がおらずウクライナ軍がいたなどのウソは、映像その他で嘘であることが明らかになっている。