2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年3月28日

西側の方針表明は深い洞察が必要

 上で、この社説におおよそ賛成できると留保をつけたのは、社説が主張する、
(1)ウクライナ上空の飛行禁止を差し控えること。
(2)北大西洋条約機構(NATO)は攻撃を受けない限りロシア軍を撃たないと声明すべきである。
との2点には反対だからである。

 社説は、そうすることでプーチンのパラノイアを和らげることがこの戦争の拡大を防ぐことに資すると言うが、これはプーチンに西側の対応が弱いと判断させることにもつながる。西側が何をしないかを明言することの是非はもっと深い洞察を必要とすると思われる。プーチンのパラノイアは、和らげるのではなく、むしろ悪化させるべきであろう。

 ロシアのスターリン化については、プーチンはスターリン賛美者であり、赤軍聖堂にはスターリンの功績をたたえる展示をしている。スターリンの犯罪を記録しているメモリアル(アンドレイ・サハロフなどが設立)を外国のエージェントと指定し、弾圧を加えている。

 これらのことは、ウクライナ侵略前から明らかになっている。プーチンはゴルバチョフ、エリツィンのスターリン批判を拒否し、フルシチョフのスターリン批判も拒否しているような人である。

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