2024年4月27日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月18日

 中国の原潜は最近まで旧式であったが、最近は新型の「晋」級戦略原潜に、射程距離4600マイルの弾道ミサイルを搭載するものと見られ、おそらくこの原潜は海南島を基地とするだろう。第二期のオバマ政権は、領土紛争があるのみならず、世界で最も危うい核のホットスポットに急速に姿を変えつつある地域の緊張に対処するという有難くない任務を抱えることとなる、と論じています。

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 中国の南シナ海における強硬姿勢が、単なる領土主権の主張に留まらず、戦略原潜展開の必要性に基づくものであるとの見解は、第一列島線、第二列島線の概念を中心とする中国の海洋戦略、そして戦略ミサイル搭載原潜という大きな抑止力を持つ対米核抑止戦略に照らせば、当然のものでしょう。論説も中国の為政者たちが、内々このような見解を述べていると説明しています。

 このような見解は、日本でも述べられてきています。中国は南シナ海を、かつてソ連が冷戦中に対米核戦略の拠点としたオホーツク海のようにしようとしている、あるいは南シナ海を、中国の戦略原潜のための「聖域」としようとしている、といった見解です。

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