炭酸水は自宅で作ることができる
実は市販の炭酸水は、水も良いものを使っている。多いのは、ミネラルウォーターを元にした炭酸水だ。サントリーは『南アルプス天然水』の炭酸水を発売しているし、アイリスオーヤマは『富士山の水』の炭酸水を発売している。アサヒ飲料のウイルキンソンの水は、兵庫県宝塚市の水、六甲山系の水だ。
ミネラルウォーターを使った、市販の炭酸水は、ミネラルウォーターより、20円以上高いものがほとんどで、中にはミネラルウォーターの倍額で市販されているモノもある。
この炭酸水、自分で作ることもできる。ただし商品名は「炭酸水メーカー」ではない。「ソーダメーカー」だ。ソフトドリンク大国である米国が大得意の分野だ。日常生活はもちろん、ホームパーティになどにも欠かせない。これが安くできるなら、それに越したことはない。
私が使っているのは、米ミシガン州アナーバーを拠点にするドリンクメイト社の「マグナムグランド」。非電動モデルだ。炭酸注入の方法は、付属の「耐圧ボトル」の中に炭酸を入れたい液体(水、ジュースなど)を入れる。そこにボンベから圧縮した二酸化炭素を流し込む。当然、耐圧ボトル内は加圧される。その圧力で一気に二酸化炭素を溶かしてしまう。
飲み物をセットし、大型のボタンを押し込むのはかなりアナログ的だ。タッチが全盛期の今、最近あまりない本当に押し込む感じだ。押し込んでいくと、あるところで手応えを感じる。この時、圧縮された炭酸が入っているのだ。入れ過ぎるのはいやなので、すぐ離す。それを2〜3回繰り返すと、「プシュー」という圧が抜ける音がする。これは、これ以上の加圧に耐圧ボトルが耐えられないので、安全弁が動作した音だ。
次に、本体から耐圧ボトルを外し、くるりと一回転させる、炭酸を馴染ませるのだ。そして耐圧ボトルのフタから圧を抜く。「シュー」という余分な炭酸が抜ける音がしなくなるまで、フタは外れない。余分な炭酸が抜けたら、出来上がりだ。こうしてかなりの強炭酸水を作ることができる。
このモデルのメリットは、かなり大きめのガスシリンダー(炭酸水:142リットル分)をセットできることだ。毎日2リットル飲んでも、2カ月以上持つ。
さて気になる値段は、ガスシリンダー(炭酸水:142リットル分)は、大体6500円。リッターあたり約46円で炭酸水を作ることができる。水道水で作ると、ほぼ46円/L。安い!強炭酸だと水の味も気になりにくい。
ソーダメーカー本体は、ガスシリンダー(交換)、耐圧ボトル(2年で交換)、そして本体から構成されており、全体で、1万5000〜2万円だ。炭酸愛好家は1年も使えば、元が取れる。
モデルによって違うのは、ガスシリンダーのサイズと、何に対して炭酸を入れることができるのかだ。ハイエンドモデルは、水だけでなく、水より粘り気のある濃縮還元ジュース、気の抜けたジュースなどにも入れることができる。
使いこなしのポイントは、注意事項をきっちり守ること。使い終わったガスシリンダーは、きちんと業者に渡すこと。もちろん、無料で引き取ってくれる。間違っても、燃えないゴミの日に捨ててはいけない。また、耐圧ボトルも含め、使い始めの日時をシリンダーや耐圧ボトルに専用のシールも付いている。
予想外のメリット
私にとって、ソーダメーカーによる予想外のメリットがあった。それは、不必要な炭酸水を飲まなくなったことだ。ペットボトルで、購入すると開封後はどんどん炭酸が抜ける。このため、無意識のうちにハイピッチで飲むことになる。そしてちょっと余る。こうしたことがなくなった。必要な時に、必要な分だけ作ればいいからで、その分、より節約しているとも言える。
最後に、「マシンがあっても水道水で飲むのは味気ない」という意見もあるだろう。しかし、結局ミネラルウォーターを買えば高くつく。確かにそうだ。ただし、ゴミが出ないし、いろいろな産地のミネラルウォーターを炭酸水にできる、というメリットもある。市販されていないものも作ることができる。このあたりのメリット、デメリットは個人で判断をしてみていただければと思う。