2024年12月22日(日)

新しい〝付加価値〟最前線

2022年7月5日

 2022年の夏は「猛暑」予想だ。6月27日に東京は梅雨明け。平年7月19日頃だから、早い。40日間の梅雨が半分で終わった感じだ。今から猛暑が10月頭まで90日程度続くことになる。

 こうなると、ミネラルウォーター、特に喉越しがいい炭酸水の売れ行きは好調になるだろう。私の場合、1日に炭酸水を2リットルは飲む。夏が90日あるとすると、180リットル。リッター110円とすると、月額6600円。一夏で、1万9800円となる。炭酸水だけで、約2万円だ。今年は物価高にもかかわらずだ。それでも、暑い夏に炭酸水は魅力的。そこで炭酸水のコストを抑える方法を、今実行中だ。

(flyingv43/gettyimages)

水の値段を知っていますか?

 東京の水道料金の平均額は、平成25年、20立法メートル(2万リットル)で2560円。500ミリリットル換算で0.064円。1リットルで0.108円だ。それでも、水道料金はそれなりの額になる。理由は簡単で、生活用水に占める飲み水の割合が少ないからだ。風呂、トイレ、洗濯。それぞれ膨大な水を使う。

 となると飲み水、ミネラルウォーターは、ずいぶん高いようにも感じるが、どうなのであろうか? 実は水売りは、古い商売。江戸時代にも、水売りはあった。大川(隅田川)の中央で水をくみ、下町で売るのだ。冷たい、きれいな濁りのない水ということで、大いに売れたという。神田上水の水質が悪いこともあるが、日本人のきれいで美味しいという水への想いは、昔と変わっていないのかもしれない。

炭酸水用の水筒は発売後10万本を越すヒット

 今や、小型水筒は常時携帯の時代。家でお茶を入れていくにとどまらない。カフェでコーヒーを入れてもらう、コンビニで買ったミネラルウォーターを冷たいままキープするなど、用途はいくらでもある。

 そんな水筒に、この春、新しく「炭酸飲料モデル」(以下「炭酸モデル」)が加わったのを、ご存じだろうか? タイガー魔法瓶、サーモスと、大手2社が発売済みだ。象印は、まだ出していないが、2社の売れ行きは好調だそうで、いずれ象印も市場投入するだろう。

 炭酸用のボトルの特別点は2つ。いかに炭酸を気化させないかと、気化してしまった炭酸をどうやって外に出すのかだ。

タイガー魔法瓶の「炭酸モデル」

 炭酸は、コップに入れると泡が含まれていることがよくわかる。なぜコップで泡が見えるようになるのかというと、コップなどの凹凸に中の炭酸が引っかかり、そこから成長、見えるサイズになるからだ。炭酸モデルの水筒壁面はツルツル。ほとんど凹凸がないように加工されている。炭酸水を入れても壁面にほとんど泡が付かない。炭酸を気化させない工夫が、最新の加工技術によりなされている。

 もう一つ重要なの、ガス抜きの技術だ。タイガー魔法瓶の商品例にとると、まず、注意してほしいのは、フタを止めるネジ溝。ここに縦方向へ、ネジ溝と交差する形で溝が走っている。これがポイント。フタを捻った瞬間、この縦溝を伝い、炭酸が抜けるのだ。そうでないと、フタから一気に空気が入り込むため、中身が突沸する。これは炭酸用のペットボトルにも使われている技術だ。このため、開けるときには「シュ」という独特の音がする。

 また、中で気化した炭酸の処理も重要だ。ステンレスボトルの場合は、ペットボトルのように変形できない。つまり、フタのみに圧力がかかるわけだ。こうなると、開ける時フタがシャンパンを開けた時のように、勢いよく飛び出す可能性がある。こちらは安全弁で対応している。

 フタ部は、ちょっと妙な形をしている。キャップが大きなゴムベルトが取り付けられ、キャップには滑り止め凸起がある。圧がかかると、モノは押されるので、どうしても回しにくくなるこのための措置だ。確実に予定される動作が行えること。これも安全につながる。

「炭酸モデル」のふた

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