その鈴木は「モノづくりのベテランに出会い、初めて自分の理想のデザインを自分たちの製品として形にすることができた」と、パートナーに全幅の信頼を寄せる。量販志向でものごとが回る大手メーカー時代には難しかったという「長く愛用していただける製品の提供」が2人の目標である。「次は『水』をやりたい」(古賀)という第2弾も楽しみだ。(敬称略)
(写真:井上智幸)
■メイキング オブ ヒットメーカー 古賀宣行(こが・のりゆき)さん
エクレア 代表取締役社長
1957年生まれ
福岡県大川市に生まれる。偉大な作曲家でギタリストだった古賀政男氏と同郷ということもあり、小学6年生からフラメンコギターを始める。佐賀大学附属中学校、県立佐賀西高校でもギターに熱中し、リサイタルも開催。高校卒業後にそちらの道に進むか、大学へ進むか悩んだ末、進学を選択。最後のリサイタルが終わった高校3年生の夏から猛勉強し、千葉大学工学部へ。
1980年(22歳)
ソニーに入社。2年目からウォークマンの開発に携わり、小型化、薄型化、電池の長寿命化と格闘する日々を過ごす。その後、当時まだ世に出回っていなかったICレコーダーの開発を担当。96年に第1号を世に送り出した。06年からは中国へ赴任。オーディオ事業を立ち上げ、設計から量産までの体制を整えた。
2010年(53歳)
ソニーを退社。「いずれは自分で事業を」と考えていたものの、ソニーでの開発業務に夢中になり、独立する機会を失っていた。しかし、中国事業から帰任するタイミングで退社して、独立した。
2011年(54歳)
知人の紹介で家電のデザインを手掛ける鈴木健氏と出会い、すぐに陳腐化せず、長く使用することのできる、機能もデザインも優れた家電を作ろうと踏み出す。12年12月に最初の商品として空気清浄機を発売。中国をはじめ、海外と日本を往復する日々を過ごす。
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