デジタルの世界が
町と人をつなぐきっかけに
高齢者など、インターネットに不慣れでAIチャットボットを利用できない住民の声は拾えないのでは、といった懸念もあるだろう。もちろん、高齢者でも使いやすいサービスを提供するよう心掛けるが、一方で、むしろデジタルを活用して住民以外の声を拾える機会にもなりうる。日本最南端の町である沖縄県竹富町の窓口相談チャットボットには、住民4000人に対し、8000人以上の利用があったが、その多くは観光や移住定住関連の、町の外の人たちからの質問だった。
その町に関することを知りたい人は市役所を直接訪れる住民以外にも、実は世界中に存在するかもしれない。コロナ禍で地方への移住や定住を希望する人が増えているが、インターネットを通じて便利で快適なサービスを提供し、その情報を全国に広く届ける市や町が増えれば、地方への移住が加速する可能性もある。多様化する社会のニーズに応えるためにも、行政サービスのデジタル化は欠かせない。
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コロナ禍を契機に社会のデジタルシフトが加速した。だが今や、その流れに取り残されつつあるのが行政だ。国の政策、デジタル庁、そして自治体のDXはどこに向かうべきか。デジタルが変える地域の未来。その具体的な〝絵〟を見せることが第一歩だ。
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