2022年10月3日(月)

BBC News

2022年9月7日

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中国・四川省で5日、マグニチュード(M)6.8の地震が発生し、少なくとも65人が死亡した。省都・成都市では、新型コロナウイルス対策の厳しいロックダウンが実施中で、一部の住民らは集合住宅の外への避難を止められたとみられる。インターネット上では、そうした様子を撮影した動画を見た人々から、怒りと不信の声が噴出している。

成都市の2100万人の住民の一部は、地震発生後に住居から出ないよう指示されたと話している。集合住宅の外に走り出た人々は、出口が閉められているのを見たとしている。

中国は「ゼロコロナ」政策を続けており、新型ウイルスの感染者が見つかった地域の封鎖が日常的に行われている。

集合住宅で住民の1人でも陽性と確認されると、住居群全体が「封鎖区域」に指定されることもある。その場合、住民は感染の有無にかかわらず、自宅外に出ることを禁じられる。

ゲートに鎖

動画アプリTikTokの中国版・抖音(ドウイン)に投稿された複数の動画では、鎖がかけられた集合住宅のゲートの後ろで、パニック状態の住民が、外に出せと声を張り上げている。

ある動画では、男性が自宅の集合住宅のゲートとみられるものを揺らし、開けようとしながら、警備員に悪態をついている。そして、「急げ、ドアを開けろ、地震だ!」と大声をあげている。それに対し警備員は、「もう終わった、地震はもう終わった」と話している。

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別の動画には、「家に帰れ、ここに集まるな、これはただの地震だ。(ここ四川省の)私たちには(地震に関しての)多くの経験がある」という音声が録音されている。当時、拡声器で発せられた呼びかけだという。

弁護士の男性は、地震の揺れを感じた後、自宅のある30階建ての建物の外に逃げ出したと、BBCに話した。ゲート前で、閉じ込められたことに気づき、集まった人々に交じって、「どっちが大事なんだ? ロックダウンなのか、地震なのか?」と不満の声を上げたという。

この男性によると、隣人から「感情をあおるな、政治を語るな」と言われたという。男性は隣人と激論になり、隣人から身体的暴行を受けたという。

オンラインで批判噴出

地震の死者と、集合住宅における行動制限を関連付ける報道はない。しかし、中国のソーシャルメディア微博(ウェイボ)では、大きな批判が巻き起こっている。

ある人は、市民が安全な場所に逃げるのは「憲法上の」自由だとする弁護士の言葉を引用した地元ニュースサイトへの投稿に続けて、「こんな問題を議論しなければならないのは冗談だ」とコメントした。この投稿は、6日までに370万回以上閲覧された。

別の人は、「建物の中で死ねばいいんだろう、少なくとも感染しなかったんだから」と皮肉たっぷりにコメントした。

成都市の衛生委員会はその後、「地震、火災、洪水などの災害時には、市民の生命を守ることが優先される」と、メッセージアプリ微信(ウィーチャット)の公式アカウントに投稿した。

中国の「ゼロコロナ」政策

成都市は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1日にロックダウンを実施した

「ゼロコロナ」政策を推進する中国政府に対しては、中国ではまれな反対の声を呼び起こしている。

中国は、新型ウイルスの国内での発生を完全に無くすことを目指している、世界最後の主要経済国となっている。中国政府は、病院を患者であふれかえらせる広範囲な感染急増を防ぐため、必要な措置を取っているとしている。

米ジョンズ・ホプキンス大学によると、中国は公式発表で、パンデミックが始まってからの新型ウイルスによる死者を1万5000人以下としている。

(英語記事 Anger over China lockdown during earthquake

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62816500

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