2022年12月7日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年9月13日

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 ただ、イランとして、ロシアの暴挙であるウクライナ侵攻の手助けをすることには国際的反発がありうるので、イランとしてはもっと慎重であってしかるべきであったのではないかと思われる。3月初めの国連緊急総会ではロシア非難決議にイランはインド、中国と同じく棄権したが、今度の無人機提供は明確なロシア支援ということになる。

無人機はゲームチェンジャーになり得るのか

 偵察だけではなく攻撃できる無人航空機は戦場では極めて有効な働きをし得る。アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャンが圧倒的に優位になったのはトルコの無人機がアゼルバイジャンに提供されたからであった。ウクライナも今度の戦争でトルコの無人航空機を活用している。

 問題はウクライナ戦争の戦況を変えるような効果がロシアによるイランの無人機入手にあるかであるが、それは少し疑問である。8月末に米国が発表した最新の対ウクライナ軍事支援にはバンパイアという対無人機兵器が含まれている。

 ウクライナには防空体制や電子戦能力もそれなりにある。したがって、イランの無人機をロシアが入手したことがゲーム・チェンジャーになる可能性は低いのではないか。

 ロシアは兵員も装備も消耗してきているように見える。イランに兵器を頼らざるを得ないことがロシアの苦境を示している。

  
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