2022年12月9日(金)

Wedge REPORT

2022年11月25日

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 サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本が優勝4回の強豪ドイツに逆転勝ちする金星を得た。前半の劣勢からシステムを変更し、形勢を逆転させたその姿は、日本サッカーの進化を世界に見せつけた。こうした発展はトップレベルのものだけではない。初出場から7大会連続出場を果たしてきた日本サッカーの変遷を用品販売から見てきたサッカーショップKAMOを運営する加茂商事に取材した。

躍進を遂げる日本代表(Wedge)

代表への前評判と大会成績の関係

 今大会の日本代表公式ユニフォームが発表されたのは、開幕の2カ月前。半年ほど前に発表していた前回大会までと比べ、遅い時期での発表であった。「サッカーファンは急いで買いに来ていて、かつてないペースで売れた。代表メンバー発表を待ち、すぐに背番号を入れに来た」。同社の蔵並裕樹副社長は話す。ドイツ戦の勝利を受けて、さらに爆発的なユニフォームの販売数になっているという。

 W杯日本代表に対する大会直前での人気と大会結果は反比例していると蔵並氏は指摘する。2006年のドイツ大会は「黄金世代」と呼ばれ期待されたものの予選リーグ敗退、10年の南アフリカ大会は直前での国際試合での結果が芳しくなくユニフォームの売れ行きが良くなかったところからベスト16進出、14年のブラジル大会は前評判が高く「2002年日韓大会以来の勢いでユニフォームが売れた」(蔵並氏)が予選リーグ敗退、18年のロシア大会は代表人気が高くなかった中でベスト16へと進んだ。

 前評判が高くグッズの売れ行きが良いと大会結果は良くなく、期待が低く売れ行きも良くなかった時は大会で成績を残しそれに乗じて消費が動く、という周期を繰り返しているのだ。今大会は日本が強豪国ひしめく「死の組」に入ったこともあり、日本全体でのユニフォームの売れ行きは良くなかったという。初戦のドイツ戦は「ジンクス通り」と言って良いのかもしれない。

 同社はこうした日本サッカーの酸いも甘いも共にしながら経験している。1968年12月、のちにサッカー日本代表の監督を務めた加茂周氏の弟である加茂建氏が「日本のサッカー文化の発展に貢献しよう」という思いで同社を創業した。その時から、コンセプトは「サッカー専門のスポーツ用品店」。その形態は今では全国各地に存在しているものの、当時は競技者数も少なく、Jリーグ発足の話もない。サッカー人気を考えれば厳しい船出だった。

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