こうした商品へのこだわりは、サッカーのメイン商材であるシューズだけではない。「ほどけにくい靴紐を子どもたちはじめ多くの人が購入している」と原宿店の廣岡昭洋店長は話す。ミズノによる靴紐「ゼログライドシューレース」は表面に特殊な樹脂加工を施し、グリップ力を高めている。
足の骨格を整えてパフォーマンスを上げるインパクトトレーディング社のインソールもサッカーショップKAMOの隠れたヒット商品となっている。ソックスに関しても、チームから提供されるものではなく、自らに合ったものをあえて選ぶ人も増えているという。
使う人の要望に研ぎ澄ませろ
サッカー用品の開発技術は歴史と共に発展し、使う側も変わってきた。それが競技レベルのアップにつながり、ドイツ戦での〝奇跡〟を呼び起こした一因かもしれない。
「消費者の気持ち、環境への適応を製品に反映する力がメーカーには必要。選手たちの声を拾い上げ、それに応えることにこだわれば、必ず商品は向上するし、プレーの質も上がっていく。そういうことを世界中のメーカーと取り組んでいきたい」と蔵並氏は強調する。
「これだけ世界のトップリーグで中軸として活躍する選手が多いW杯日本代表ははじめてのこと。自信をもって世界と渡り合う姿を子どもたちに見せてほしい」と蔵並氏はサッカーのさらなる普及に期待を寄せる。
カタール大会で日本代表が新たな歴史を打ち立てる期待が高まっている。この結果はスポーツ産業にも良い影響を及ぼすことは間違いないだろう。
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平成の時代から続く慢性的な不況に追い打ちをかけたコロナ禍……。 国民全体が「我慢」を強いられ、やり場のない「不安」を抱えてきた。 そうした日々から解放され、感動をもたらす不思議な力が、スポーツにはある。 中でもサッカー界にとって今年は節目の年だ。 30年の歴史を紡いだJリーグ、日本中を熱気に包んだ20年前のW杯日韓大会、 そしていよいよ、カタールで国の威信をかけた戦いが始まる。 ボール一つで、世界のどこでも、誰とでも──。 サッカーを通じて、日本に漂う閉塞感を打開するヒントを探る。
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