2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月9日

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ショーン・コクラン、BBC王室担当編集委員

英王室のハリー王子が、近く出版予定の回顧録で、祖母エリザベス女王の死去をBBCのサイトで知ったと書いていることが明らかになった。王子はさらに、女王が亡くなる4日前に最後に電話で会話した内容にも触れている。

10日出版予定の回顧録「スペア(予備)」でハリー王子は、9月8日に父チャールズ皇太子(当時)から電話を受け、女王の容体悪化を知らされたと書いている。女王が夏から滞在していたスコットランド・バルモラル城へ向かう手はずを王子が整えていると、妻メガン妃を同行させないよう父から指示されたという。

飛行機がスコットランドに到着した時点で、携帯電話でBBCニュースのサイトを見て、女王が亡くなったことを知ったと王子は書いている。

「飛行機が降下を始めると、電話の画面が明るくなった。メグからのメッセージで、『これを見たら電話して』とあった」

「BBCサイトを開いた。祖母が亡くなっていた。父が国王になっていた」と、ハリー王子は書いている。

「スペア」に書かれているこうした内容は、女王が昨年9月に亡くなった際の経緯について、今まで知られていなかった新事実を明らかにしている。ハリー王子が最初に女王の死去を知らされたのは、家族からではなかった。ロンドン近郊ルートン空港からチャーター機でスコットランドに向かった王子は、着陸時に携帯電話のオンラインニュースで、訃報に触れたのだという。

さらに王子が書いた内容は、9月8日当日に錯綜(さくそう)した情報についても、事情説明になっている。当時、当初はメガン妃がハリー王子に同行してバルモラルに向かっていると伝えられたものの、そうではないことが後から分かったからだ。

同様に、兄ウィリアム王子(現・皇太子)の妻キャサリン妃も、バルモラル城へは向かわなかった。

ハリー王子によると、メガン妃はバルモラルへ同行させないようにと父から最初に言われた時、その理由の説明は「まったく意味不明で、もっと言えば失礼だった」。

父の言い分を受け入れられないと思った王子は、「僕の妻についてそんな物言いをしてもかまわないなんて、決して思わないでください」と父に告げたのだという。

「すると父は、残念だと言いながら、ともかく(バルモラルに)人が大勢集まるのを避けたいのだと言った。誰の妻も行かない、ケイト(キャサリン妃の愛称)でさえ行かないのだから、メグも行かない方がいいと」

「だったらまず最初にそう言うべきだった」と、王子は父に伝えたのだと書いている。

出版予定日に先立ち公表されたスペイン語版を、BBCは入手している。その中で王子は、エリザベス女王との最後の会話も振り返っている。

バルモラル城へ急ぐ最中にそのやりとりを思い出したとして、王子は自分の髪の毛が薄くなりつつあることも話題にして祖母を笑わせたのだと振り返っている。

「僕はフライト中ほぼずっと雲を眺めていた。そうしながら、最後に祖母と話をした時のことを思い出していた。4日前に、かなり長いことしゃべって、いろいろな話をした」

「祖母の体調の話はもちろん、ダウニング街(首相官邸)で続く混乱についても話した。ブレマー・ゲームズ(スコットランドの伝統競技会)についても。祖母は、体調不良でゲームズに欠席したのが残念だと話していた」

ひどすぎる渇水の話もした。メグと僕はフログモア(ウィンザー城に隣接する王家の邸宅)に滞在していたが、そこの芝生も本当にひどい状態だった」

「『まるで僕の頭みたいなんだ、おばあちゃん、あちこち丸はげで。ところどころ茶色くなってる!』 こう言うと祖母は吹き出して大笑いした。そんな祖母に僕は、体に気を付けてねと言った。近いうちにまた会えるといいね、と」

しかし、飛行機が着地したとき、王子は祖母の訃報をスマートフォンで読んでいた。

「黒ネクタイを締めて、大雨の中で飛行機を降りて、借りた車でバルモラルまで急いだ」と、ハリー王子はつづっている。

(英語記事 Prince Harry first heard of Queen Elizabeth's death from BBC website

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64202806


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