サバの資源量データは合っているのか?
サバ類は、マサバとゴマサバに分かれ、さらに太平洋側と日本海~東シナ海の資源に分かれています。その中での主力は、下図のマサバの太平洋系群です。
17~21年の5年間の平均で、62%がマサバの太平洋系群の漁獲となっています。このマサバ漁が不漁であるために、サバ缶が休売になったり、中身が小型化したり、塩サバやシメサバの原料不足で困っています。22年の太平洋系群の漁獲量は、日本、ロシア、中国などが所属する北太平洋漁業委員会(NPFC)で管理されています。
下のグラフはマサバ(太平洋系群)の親魚資源量の推移を示しています。親魚量は大量に獲れていた1980年前後より多いというデータです。さらに4歳以上で、成熟割合100%の大きなサバが多いというデータになっています。ところが不漁です。
資源量と実際の漁獲量を上下のグラフで比較してみると分かることがあります。15~20年の資源量ほど、そもそも同期間で漁獲量は多くないことがわかります。不漁でもあることから、過大評価している可能性が高いことが見て取れます。
日本を含めた太平洋のサバ漁は、TACによる漁獲量制限が効いておらず実質的獲り放題であるため、漁獲量は資源動向そのものを表していると言っても過言ではありません。
サバは本当にいるのに獲れないのでしょうか? さらに検証をしていきましょう。