2024年11月21日(木)

Wedge REPORT

2024年1月9日

利用者はどう感じているのか? 横浜銀行、横河電機の場合

 ハッカズークのアルムナイのネットワークサービスを利用している企業に聞いてみた。

 今年の2月から退職者(アルムナイ)をつなぐシステムを導入した横浜銀行の事例をみると、導入後の登録者数は既に120人を超え、その中の40歳前後の3人を採用した。銀行を辞めて外部に出てスキルを蓄積してきた元行員で、IT・DXやソリューション営業部門など、専門分野での業務を担っているという。外部で経験してきたノウハウ、価値を還元してもらえば、銀行にとっても貴重な即戦力になるというわけだ。

 同行ではこの数年は若手が辞めるケースが増える傾向にあり、これまでは「悲しい別れ」をすることが多かった。しかし、人材の流動化が進む中で、広い目線で人的資本を充実させたいという観点から、外部で専門性の高いノウハウやスキルを培ってきた人材ならば、辞めた行員でも迎え入れようという方針に転換して、このシステムの導入に踏み切ったという。

 アルムナイとは今後もこのネットワークを活用してリアルとオンラインを織り交ぜながら交流し、銀行のイノベーションなどに役立ってもらいたいとしている。

 昨年の3月から導入している横河電機の場合、人生100年時代や雇用の流動化の影響を受け、これまでのような定年まで一社に勤め続けるキャリア観は当たり前でなくなっていると認識、「自分のキャリアは自分自身のもの」という、個人のキャリア自律が大切だと考えている。その結果、横河電機を卒業して新しい挑戦をするという選択であっても、会社としては寂しいが応援する。一方で、アルムナイともつながりを続けていけば、何か一緒にできる縁もあるだろうと考えて、アルムナイネットワークを立ち上げた。

 現在は120人のネットワークで、過去に1人の再入社の実績がある。働きがいについて議論する中で、一度辞めたとしても、協業や再入社して横河電機と関わる働き方もあるのではないかと考えたという。今後については、一緒に仕事をしたことがあるアルムナイとは長期的な関係を築いていきたいそうで、再雇用自体は目的としているわけではないが、あらゆる形で協業することを通じて、仲間であり続けられるようなつながりを作っていきたいとしている。

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