2024年2月26日(月)

Wedge2023年12月号特集(海事産業は日本の生命線)

2023年12月3日

「Wedge」2023年12月号に掲載されている特集「海事産業は日本の生命線「Sea Power」を 国家戦略に」内の記事を一部、限定公開いたします。

 今治造船グループの造船建造量は日本全体の37.4%(2022年実績)を占めて首位、世界でも3位だ。造船の名門企業が規模縮小や撤退して消えていく中で、M&A(合併・買収)などにより着実に事業を拡大してきた。「船のデパート」といわれるほど、ばら積み貨物船、タンカーからLNG(液化天然ガス)運搬船、コンテナ船などの船を建造しており、4つの新造船工場と6つのグループ造船所を使って効率的な建造を行っている。

今治造船今治工場で建造中の新造船(MASATAKA NAMAZU)

 本社のある今治工場では、新造船ドックを使って6万トンクラスのばら積み貨物船が建造されていた。今治造船では使用する鋼板はすべて日本製で、外国製は使っていないという。使う部品はできるだけオールジャパンで調達するなど「メイド・イン・ジャパン」へのこだわりが強い。

 檜垣幸人社長は「赤字を出さない経営に徹して、品質と納期を守るのが日本の造船業のステータスだが、現在は世界の造船のシェアが韓国と中国で70%超、日本は20%を切っており、危機意識を持つ必要がある」と話す。

瀬戸内沿岸にある自社造船所について説明する檜垣幸人社長。(MASATAKA NAMAZU)

 今治造船は上場していないため、上場企業のような株主対策をする必要がない。このためオーナーを中心に長期的な視点に立った経営を遂行することができ、配当よりも設備投資と賃金を含めた従業員の待遇改善に必要な資金を手当てしてきている。

 さらに創業以来、オイルショック、リーマンショックなど苦しい時も人員削減はしたことはなく、まさにオーナー企業の真骨頂といえる。造船不況の際にも、経営が悪化した企業を傘下に入れるなどして業績を伸ばしてきたという歴史がある。

 現状について「21年は13年に次いで過去2番目に新造船の受注量が多かった。50年頃までに国際海運からのGHG(温室効果ガス)排出ゼロに向けてLNGやメタノールも燃料にして走ることができる新燃料対応の船型を増やしていきたい。メタノール焚きでは、台湾の大手コンテナ会社エバーグリーン(長栄海運)向けに、1万6000個積みのコンテナ船を8隻受注することができた。LNG二元燃料船の建造は、以前にLNGを運ぶ船を建造したノウハウが役立つ。これからは……。

(続きは下記リンク先より)

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Wedge 2023年12月号より
海事産業は日本の生命線 「Sea Power」を 国家戦略に
海事産業は日本の生命線 「Sea Power」を 国家戦略に

船を造り(造船)、船を動かし(海運)、貨物を出し入れする(港)─。海に囲まれた日本は、これら3つを合わせた「海事産業」がないと成り立たない。だが、足元の状況は厳しい。人手不足や高齢化など、他産業よりも深刻な危機に直面しているからだ。海事産業の現場を歩き、課題解決に向けた取り組みについて取材した。


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