「後輩を『飲みに行こう!』と外の店には誘いづらいですが、社内のスペースなら短時間で終わらせることもできて誘いやすいです。社員同士の交流が増えたと思います。以前は『電話やメールでしか知らない』という社員同士も多かったのですが、食堂ができてから、顔と名前が一致することが増えました」(杉野さん)
このほか、毎週月曜日には「白熱塾」という希望者が集まる講座も開かれる。ビールを飲みながら議論を戦わせるため、文字通り白熱するそうだ。
内定式や新入社員歓迎会、グループミーティングにもこの社食を使うというが、面白かったのは「お花見」のエピソード。数年前までは外で行っていた花見だが、最近ではこの食堂で行うようになった。花が咲いた桜の枝を買ってきて食堂の真ん中の柱に飾り、敷き詰めたビニールシートの上で靴を脱いで花見を楽しむのだという。プロジェクターを使ってスクリーンにも桜を映す。
花見の時期はまだ肌寒いことが多い。花粉症の人や、入ったばかりの新人が風邪をひかないための配慮だともいう。確かにこの食堂なら、桜の花も違和感なく馴染みそうだ。
食事が終わった後も同じ席で打ち合わせを続ける人、ドリンクバーで飲み物をタンブラーに詰めて持っていく人、すれ違う同僚に声をかける人。思い思いの表情を見ながら、この食堂は愛されている空間なのだと感じた。
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