台湾のシンクタンク「台湾智庫」の役員、賴怡忠(Lai I-chung)が、2002年から2004年にかけての米日台三カ国戦略対話で出てきた、台湾の戦略的重要性という考え方が、約10年の時を経て再浮上し、米日台協力が現実のものになろうとしている、と10月24日付タイペイタイムズで述べています。
すなわち、米国在台湾協会のウィリアム・スタントン元会長は、台湾の戦略的重要性についての最近の講演の中で、中台関係の動向は、台湾、アジア、そしておそらく全世界に影響を与えるであろうが、台湾が中国の一部になってしまえば、米国は台湾を支援しなくなるであろう、と述べた。スタントンの率直な発言は、称賛に値する。
「台湾の戦略的重要性」と題するスタントンの講義は、2003年に行われた、「台湾智庫」主催の台米日三カ国戦略対話の東京会議で配布された、日本の元外交官による論文に基づいている。
対話では、多くのアイディアが示された。その多くが、戦略家たちの両岸問題に関する思考を変え、参加者に、一つの中国しか存在しないと言う台湾人に内在する矛盾と台湾における民主主義の発展を、明確に理解させた。
しかし、これらの対話からは、予期せぬ変数や問題のため、当初期待されたほどの成果は上がらなかった。これらの対話で示された考えが、10年後に再浮上し、その場にいなかった米外交高官スタントンの講演の基礎になるとは、誰も想像しなかったであろう。
対話で出てきた考えは、それぞれの国で主流の考えではなかった。当時は、日台、米台関係を考えることは、台米中、台日中の枠組みに限定されていた。台湾を日米同盟に含めるという考えが出された時、日米の中国専門家たちは、それに反対した。
2002年から2004年にかけての戦略対話の参加者は、それぞれの国の政府に新しい考えを受け入れるよう働きかけたが、強い抵抗に遭った。