2024年6月17日(月)

BBC News

2024年5月24日

ショーン・コクラン王室担当編集委員

英ファッション誌「タトラー」の表紙に採用されたキャサリン英皇太子妃の肖像画について、多くの王室ファンが首をかしげ、ソーシャルメディアに様々な意見を書き込んでいる。

この肖像画への世間の反応を、控えめに説明してみた。少なくともドレスはキャサリン皇太子妃のものだと分かる、という意見が、ポジティブな反応の部類に入る。

この肖像画を描いたハナ・ウゾー氏は、「私の描く肖像画は全て、その人の人間性を多層に重ねたレイヤーでできている。私がその人について見つけた、全てから構築している」と説明している。

王族の肖像画は常に、賛否両論を巻き起こす。赤を基調とした国王チャールズ3世の肖像画が今月半ばに公表された際にも、大勢が称賛する一方で、伝統的な描かれ方肖像の方が良かったという意見も相次いだ。

タトラーが採用したキャサリン皇太子氏の肖像画は、本人がモデルとして同席してその場で描かれたものではなく、写真や動画を元にしている。インターネット上では、多くの「批評家」が懐疑的な意見を口にした。

フィーさんはX(旧ツイッター)に、「高校卒業試験の失敗したプロジェクトみたい!」と感想を書いた。

アレイシャさんは、「これはパロディー? 画家のことは好きだけど……とてもスタイリッシュだし……でもこの絵は、確かに素敵だけど……皇太子妃には見えない」という意見だった。

一方で、この絵を気に入った人もいた。「特に気にならない。というのも、この絵は皇太子妃をリアルに表現したのではなく、私たちが彼女だと認識しているイメージに近いと思うから。私にはちゃんと分かった」と、ファフォさんは指摘した。

マリー・テリーズさんは、「どんな媒体を選んだにせよ、絵を描くことは写真を撮ることではなく、解釈することだ。この画家は、皇太子妃の表情をよく捉えている」と述べた。

だが、英紙デイリー・テレグラフの主任アート批評家のアリスター・スック氏はこれほど同情的ではなく、「開いた口がふさがらないほどひどい」と話した。

英紙タイムズのケイト・マンジー副主幹は、もう少し用心深く、「この絵について何を言うべきかよく分からない、ただ、うーん……」とだけ述べた。

タトラーはこの表紙を「歴史的な規模」のものだと控えめに表現し、この絵は「力強さと威厳の肖像画」と説明した。

画家のウゾー氏は、「その人の魂をとらえることが本当に重要」で、「彼女がどういう人なのかを感じ取ろうとした」と語った。

ウゾー氏は、「色彩は芸術作品にとって最も重要な要素の一つ。色彩は本当に雰囲気を表現できるので」とソーシャルメディアに投稿し、「青みがかったターコイズ」の背景は、キャサリン皇太子妃の緑色の瞳を表していると述べた。

キャサリン皇太子妃は3月にがんの診断を受けたと発表。現在も回復のために公務を休んでいる。

皇太子夫妻の公務を管理するケンジントン宮殿は今週、皇太子妃は医療チームの許可が出るまで公務に戻らないと発表している。

(英語記事 Kate Tatler portrait prompts strong reaction online

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c4nnz2een4do


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