パリ・オリンピック（五輪）は競技2日目の28日、日本勢のメダル獲得が相次いだ。スケートボード女子ストリートでは吉沢恋（ここ）が金メダル、赤間凛音（りず）が銀メダルをそれぞれ獲得。フェンシング男子エペ個人の加納虹輝は、フェンシング個人としては日本初となる金メダルを勝ち取った。競泳男子400メートル個人メドレーの松下知之も銀メダルを獲得。柔道男子66キロ級の阿部一二三は五輪連覇を達成した。
14歳吉沢が金、15歳赤間が銀
スケートボード女子ストリートでは、パーク内を45秒間、自由に滑走する「ラン」で、15歳の赤間が1位、14歳の吉沢が2位につけた。その後、一つの技を競い合う「ベストトリック」に入ると、吉沢は96.49という驚異的な点数を記録。合計272.75で優勝を決めた。
赤間は、ベストトリックの1回目と2回目で高度な技を連続して成功させ、この時点でトップに。最後は吉沢に逆転されたものの、合計265.95で銀メダルを獲得した。
スケートボードは東京五輪で新競技として採用された。女子ストリートでの日本勢の金メダル獲得は、これで2大会連続となった。
銅メダルはブラジルのライッサ・レアル（合計253.37）だった。
吉沢は試合後、パリ五輪公式サイト（Olympics.com）のインタビューで、「1回目のオリンピックなんですけど、今まで1回出てきたくらいの気持ちで、やっと表彰台に乗れでホッとした気持ちです」と話した。
金メダル獲得については、「全然想像できてなかったです。想像してるともしダメたったらって考えちゃうところがあって。でも最後の4本目を乗れたときに、もしかしたら1位になれるかなってやっと想像しました」と述べた。
フェンシングの加納が2大会連続の金
フェンシング男子エペ個人の加納は、決勝で地元フランスのヤニク・ボレルと対戦した。
エペは15点先取したほうが勝ち。ボレルがポイントを挙げるたび、会場に大きな歓声が沸き上がるなか、加納は第1ピリオドを3-2でリードして終えた。
続く第2、第3ピリオドも、加納はスピードある攻めでポイントを重ね、優勢を維持。最後は飛び込むように突きを決め、15-9で勝利した。
加納は東京五輪でも男子エペ団体で優勝しており、2大会連続での金メダル獲得となった。銅メダルはエジプトのムハマド・エルサイード。
競泳チームに最初のメダル
競泳男子400メートル個人メドレーでは、松下が後半で目覚ましい泳ぎを見せた。
レースは最初のバタフライから、フランスのレオン・マルシャンがトップに出る。2位には瀬戸大也がつけた。
続く背泳ぎと、そのあとの平泳ぎで、マルシャンは2位以下を大きくリード。瀬戸が順位を落とすなか、最後の自由形で松下が力強い泳ぎで激しい2位争いを繰り広げ、わずかな差で銀メダルを勝ち取った。
松下のタイムは4分08秒62で、自己ベストを大きく更新した。金メダルは4分02秒95でオリンピック記録を更新したマルシャン、銅メダルはアメリカのカーソン・フォスターで、瀬戸は7位だった。
松下は直後のインタビューで、「ここに来るまでいろんなつらいこともあったんですけど、本当にがんばってよかったなと思っています」と喜びを表現。
「ラスト、クロールのタフなレースになるとは想定していたので、そこは最後まで信じてがんばりました」と述べた。
錦織・ダニエル組はマリー・エヴァンス組に敗退
サッカー女子は、日本がグループステージ（1次リーグ）第2戦でブラジルと対戦。2-1で逆転勝ちした。初戦でスペインに負けた日本はこれで1勝1敗となり、31日に1次リーグ突破をかけ、ナイジェリアとの試合に臨む。
バレーボール女子の日本は、1次リーグの初戦でポーランドにセットカウント1-3で敗れた。8月1日にブラジル、3日にケニアと対戦する。
テニス男子ではシングルス1回戦で、錦織圭がイギリスのジャック・ドレイパーにストレートで敗退。ダニエル太郎もノルウェーのキャスパー・ルードにセットカウント0-2で敗れた。
錦織とダニエルはこの日、ペアを組むダブルスの1回戦にも出場。イギリスのアンディ・マリー、ダン・エヴァンス組にと対戦し、フルセットの大接戦の末、6-2、6-7 (5-7)、9-11で 敗れた。
元世界ランキング1位で37歳のマリーは、今大会を最後に現役を引退すると表明している。この日の試合は、最後のタイブレークで4-9とマッチポイント五つを握られた絶体絶命の状況からの逆転勝利だった。ダニエルがネットして勝ちが決まると、マリーもエヴァンスも信じられないというような表情を見せた。
マリーは試合後、「途中までのプレーぶりからは、復活は難しいと思った」が、「最後にはすべてがかみ合った」とコメントした。
