2024年7月29日(月)

BBC News

2024年7月29日

南米ヴェネズエラで28日、大統領選挙があり、現職のニコラス・マドゥロ大統領が3選を果たしたと、選管当局が発表した。

選挙管理委員会(CNE)のエルヴィス・アモロソ委員長は、開票率80%で、マドゥロ氏の得票率は51.2%、野党の統一候補エドムンド・ゴンザレス氏が44.02%だと発表した。アモロソ委員長は、マドゥロ大統領の側近。

ヴェネズエラの野党は、票の集計に大規模な不正があったと反発し、開票結果を争うとしている。

2013年から11年間、政権を握り続けるマドゥロ氏に対抗して、野党は元外交官のゴンザレス氏支持で団結していた。

複数の事前の世論調査では、ゴンザレス氏が大幅にリードしていた。

マドゥロ大統領は首都カラカスで支持者を前に演説し、自分の再選は「平和と安定の勝利だ」と歓迎した。

大統領はヴェネズエラの選挙制度は透明だと評価し、野党は選挙のたびに「詐欺だと叫ぶ」のだとからかった。

選挙結果の発表を受けて、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、「発表された結果が、ヴェネズエラ国民の意思や票を反映していないと、(アメリカ政府は)深刻に懸念している」と述べた。

他方、マドゥロ政権と緊密な協力関係にあるキューバ政府は、選挙結果を「国民が決定し、革命が勝利した」と歓迎した。

野党陣営は、国内各地の投票所に大勢の選挙監視員を派遣したものの、多くの場所で「追い出された」と話している。

野党はこのほか、政府による不正を防ぐため、投票締め切り後の「大事な時間」に各地の投票所で開票作業を監視するよう支持者に呼びかけていた。

ヴェネズエラでは1999年にウーゴ・チャヴェス前大統領率いる左派のヴェネズエラ統一社会党(PSUV)が権力の座に就いた。チャヴェス氏が2013年にがんのため死去して以来、同じPSUVのマドゥロ氏が大統領を続けている。

両大統領のもと、PSUVは国の行政と立法だけでなく、司法機関の大部分も掌握している。

前回2018年の大統領選は、自由でも公平でもなかったと批判されているだけに、今回の大統領選に向けてもさまざまな不正行為が懸念されていた。

マドゥロ大統領自身が、「あらゆる手段」で勝つと発言していたことも、そうした懸念に拍車をかけた。

それでも野党陣営は選挙前、自分たちの支持者が大挙して投票すれば、政府が「選挙を盗む」のは難しくなると、期待を示していた。

ヴェネズエラの選挙では電子投票が導入されている。有権者は投票機械で、自分が選んだ候補者のボタンを押して投票する。

この電子投票の内容はCNE本部に送られるほか、投票機が投票内容を紙に印字する。この紙が投票箱に入れられる。

投票箱に入れられたこの紙の集計作業に、各党は立会人を派遣することができると法律で定められている。しかし今回、多くの立会人が選挙監視を妨害されたという。

野党陣営は、印字された投票結果の3割未満しか確認できなかったとしている。

野党は、印字された投票内容の集計が、CNEの発表と一致するかを確認する方針だった。

(英語記事 Venezuela's Maduro declared winner in disputed vote

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c51yvn6wv5eo


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