2024年8月20日(火)

BBC News

2024年8月20日

レイチェル・ルッカー、BBCニュース(ワシントン)

ドナルド・トランプ米前大統領が、米歌手テイラー・スウィフト氏とそのファンが自分を支持しているように見せる偽の画像を、自分のソーシャルメディア(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿したとされている。

11月の大統領選に向けて共和党の大統領候補に選ばれている前大統領は、スウィフト氏やそのファンが自分を支持するかのように見せかける、他のSNSアカウントが使った画像のスクリーンショットを複数並べ、そこに「支持する!」というメッセージを添えて投稿した。画像の多くは、人工知能(AI)を使って作成されたものと思われる。

「スウィフティー」と呼ばれるスウィフト氏のファンはこの投稿に反発し、前大統領が虚偽情報を拡散していると非難した。

スウィフト氏は、2024年の米大統領選挙では支持する候補者を表明していないものの、2020年の前回選挙では民主党を支持し、大統領在任中のトランプ氏を批判していた。

前大統領が拡散した写真のひとつには、スウィフトさんのファンが「トランプ氏支持のスウィフティー」と書かれたTシャツを着ている姿が写っている。

この写真のもとの投稿には「風刺」とラベルが貼られているようで、見出しには「ISIS(イスラム国)がテイラー・スウィフトのコンサートを阻止した後、スウィフティーズはトランプ支持に回った」と書かれている。

スウィフト氏は最近、オーストリア・ウィーンでのコンサート3件をキャンセルした。警察は、ISに触発された攻撃を計画した疑いで、2人を逮捕している。

トランプ候補が拡散した別の写真は、第1次世界大戦中の米兵募集ポスターをまねしたもので、アメリカの象徴「アンクル・サム」の顔をスウィフト氏の顔に置き換え、「テイラーはドナルド・トランプに投票してほしい」と書かれている。

米NBCニュースは、前大統領が再投稿した画像のうち2枚には、トランプ支持者の実在の女性が写っていると報じた。

スウィフト氏は2020年の選挙で民主党を支持したほか、ジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を押さえられて死亡した事件をめぐる全国的な抗議デモの最中にも、トランプ氏を批判した。

スウィフト氏は当時、「白人至上主義や人種差別の火種を大統領任期中ずっとあおっておいて、暴力を振るうと脅す前に道徳的優位性を装う神経があるのか?」、「私たちは11月にあなたを落選させる」と、ソーシャルメディアに投稿していた。

BBCは今年初め、黒人有権者が前大統領を応援しているように見えるディープフェイク(AIを使って本物のように加工した画像や動画)を発見した。これらの画像とトランプ陣営を結びつける証拠はなかった。

(英語記事 Trump falsely implies Taylor Swift endorses him

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c9v8r0p4dy4o


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