2024年8月20日(火)

BBC News

2024年8月20日

米連邦下院議員に当選後に経歴詐称や選挙資金の不正利用などが指摘され、昨年12月に下院から除名されたジョージ・サントス元議員(36)が、2件の詐欺罪について有罪を認めた。禁錮刑を科される見通し。

サントス被告は19日、ニューヨーク州セントラル・イズリップの裁判所に出廷し、電信詐欺と、選挙活動スタッフの個人情報を盗んだことによる加重ID窃盗、そして選挙資金の不正利用について有罪を認めた。

判事は、これらの罪状について6~8年の実刑判決を見込んでいる。

被告は昨年、財務に関して議会に嘘をつき、選挙献金を個人的な出費に使ったなどの容疑について否定していた。

しかしこの日の答弁の中でサントス被告は、「私は自分の行為とそれが引き起こした損害を深く反省し、全責任を引き受ける」と述べた。

司法取引では、サントス被告は少なくとも37万4000ドル(約5500万円)の賠償金を支払うことになっている。

また、加重ID窃盗罪には2年の禁錮刑が伴い、電信詐欺罪の刑期と連続して服役しなければならない。

法廷でサントス被告は、IDを盗み、受け取る権利のない失業手当を申請したことを認めた。

また、下院倫理委員会と連邦選挙委員会(FEC)に提出した財務報告書に虚偽の記載や記載漏れがあったことも認めた。

サントス被告への量刑言い渡しは、来年2月7日に予定されている。

当選直後から詐称や詐欺疑惑が浮上

サントス氏は2022年の中間選挙で、民主党の現職に勝利し、ニューヨーク州から初当選した。しかし、当選直後から複数の経歴詐称や詐欺疑惑が浮上。学歴やウォール・ストリートの金融機関で働いていたという主張、ユダヤ系だという発言、2001年9月11日の米同時多発攻撃で母親が死亡したという主張は、いずれも虚偽だと発覚した。

2023年に入ると下院倫理委員会が、サントスが2022年の選挙運動中に「違法な活動」に従事し、議会で嘘をつき、性的不正行為に及んだといういくつかの疑惑について、調査を行うことを決議した。

連邦検察はその数カ月後、まず罪状13件で被告を起訴した。罪状13件の内訳は、電信詐欺7件、マネーロンダリング(資金洗浄)3件、公的資金窃盗1件、下院での虚偽証言1件。

検察はその後、選挙資金提供者の個人情報を盗み、そのクレジットカードを使用したとして、さらに罪状10件で同被告を追起訴した。

その後、下院倫理委員会の報告書が発表され、サントス被告が選挙資金を個人的な利益のために不正使用したことが明らかになった。これには美容目的のボトックス治療や、私的なクレジットカードの支払い、ポルノを含む有料コンテンツサイト「OnlyFans」の購読料などが含まれていた。

サントス被告は昨年12月、下院から除名処分を受けた。これは過去20年超で初めてのことで、アメリカ史上では6人目に過ぎない。

また、サントス被告の元側近2人はすでに、同被告の選挙活動に関連した詐欺罪を認めている。

(英語記事 George Santos faces prison after pleading guilty to fraud

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cp9r0mjpnj5o


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