2024年8月20日(火)

BBC News

2024年8月20日

トム・ベイトマンBBC米国務省担当編集委員(長官に同行取材)、ザーラ・ファティマBBCニュース記者

イスラエルを訪れているアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は19日、ガザ地区での停戦合意につながるアメリカの「橋渡しとなる提案」を、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が受け入れたと明らかにした。次は、イスラム組織ハマスがそれを受け入れるか次第だと、長官は述べた。

ブリンケン長官とネタニヤフ首相は同日、テルアヴィヴで会談。首相は「前向き」な会談だったと述べた。ハマスが今も拘束する人質の解放や、イスラエルの安全確保を考慮したアメリカ側の提案を、イスラエルとして支持する姿勢を、首相は改めて示したと首相は明らかにした。

ネタニヤフ首相との協議後にテルアヴィヴで記者団を前にしたブリンケン長官は、停戦と人質解放の合意へと進むことは「すさまじく喫緊の課題だ」として、「私たちは決してあきらめない」と強調。合意が遅れればその分だけ人質が大勢、亡くなる恐れがあるほか、今後新たな障害が出現すれば合意の妨げになると述べた。

ブリンケン長官は会談に先立ち、停戦合意実現に向けてこれが「最後の機会かもしれない」と述べていた。

アメリカ側は、合意達成をできれば来週中にも実現したい考えだが、イスラエルやハマスの首脳部はどちらもそこまで事態を楽観していない。イスラエルもハマスもお互いが、頑固に譲らず合意を妨げていると批判している。

ブリンケン長官は合意交渉を推進するため、次にエジプトとカタールを訪れる。

ネタニヤフ首相はブリンケン氏に、今週中にも交渉の新ラウンドのために交渉団をカイロへ派遣する考えを示したとされる。カイロでの交渉には、エジプト、カタール、アメリカの交渉団が仲介役で参加している。

他方、ガザ地区では人権状況の悪化とイスラエル軍の攻撃が続く。

イスラエルは自軍が19日の間に、「数十人のテロリストを排除」し、ハマスの拠点やトンネル網を破壊したと発表した。

パレスチナ系メディアによると、ガザ南部ハンユニスの近くでインターネット中継施設がイスラエルに空爆され、6人が殺害された。ガザ市では車が空爆され4人が殺害されたという。

ハマスは昨年10月7日にイスラエル南部を襲撃し、約1200人を殺害したほか、251人を人質としてガザ地区に連れ去った。

これを受けてイスラエルが開始した軍事作戦により、これまでに4万130人以上のパレスチナ人が殺されたと、ハマスが運営するガザ地区の保健省は発表している。

昨年11月に行われた1週間の一時戦闘停止では、ハマスが人質としていた105人と、イスラエルで収容されていたパレスチナ人240人が交換された。イスラエルは、なお111人が人質になっているが、うち39人は死亡したとみているとしている。

(英語記事 Israel accepts 'bridging proposal' for ceasefire deal - Blinken

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c628d78712zo


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