世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月16日

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 他方、インドからの武器、部品、軍事技術やサービスの購入は、ベトナム軍の近代化に資するものであり、海、空軍力の維持、強化に役立つ。つまり、ベトナムのインドとの軍事関係は、ベトナムの国防面でのロシアへのほぼ全面的な依存を軽減する、と論じています。

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 インドは1995年以来ASEANの対話国の一つであり、またASEANと包括経済協定を結ぶなど、ASEANとの協力体制を強化してきています。安全保障の分野では、ASEAN地域フォーラム(ARF)設立2年後の1996年以来、ARFの一員として地域の安全保障問題に関与しています。

 しかし、ベトナムとの安保協力は、このような一般的協力の水準を超えて、より緊密なものである。兵器、部品、軍事技術やサービスの提供は、提供国、受入国の安全保障上の関係を密接なものにしますが、印越はまさにそのような関係になりつつあります。両国は、海軍の共同軍事演習も行っています。

 このような安全保障分野での協力の推進には、論説も指摘するように両国にそれぞれ思惑がありますが、そのほかに、論説も示唆しているように、中国という要因があると考えられます。インドはカシミール紛争を抱えるほか、インド洋のシーレーン確保において、中国の恣意的な行動をけん制するのに、ベトナムとの連携は有益です。他方、ベトナムは歴史的に中国と対立し、また南シナ海で領土問題を抱えており、インドとの安保協力は中国の牽制に役立ちます。したがって、印越の安保面での協力は今後とも推進されるものと考えられます。そして、それは、我が国のシーレーン防衛の観点からも好ましいものです。今後、インド、ベトナムは、日本の海洋安全保障上のパートナーとしても、さらに重要さを増していくことになるでしょう。

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