2024年8月28日(水)

BBC News

2024年8月28日

ローラ・ゴッジ、BBCニュース

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は27日、自軍のロシア西部クルスク州への越境攻撃は「勝利計画」の一環だとし、来月にこの計画をアメリカのジョー・バイデン大統領に提示すると述べた。

ゼレンスキー氏は27日に首都キーウで開かれたフォーラムで、対ロシア「勝利計画」が成功するかどうかはバイデン氏次第であり、アメリカがウクライナに「この計画に含まれているものを与えるかどうか、(そして)我々がこの計画を自由に実行できるかどうか」にかかっていると述べた。

「野心的すぎる内容だと思う人もいるかもしれないが、我々にとっては重要な計画だ」とゼレンスキー氏は付け加え、米大統領候補のカマラ・ハリス副大統領(民主党)とドナルド・トランプ前大統領(共和党)にもこの計画を提示するつもりだとした。

ロシアへの越境攻撃は「勝利計画」の一部

今月初めにロシア西部クルスク州に侵入した大規模なウクライナ部隊を、ロシアは今のところ撃退できていないようだ。

フォーラムに同席したウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、自軍が現在、ロシア領土の1294平方キロメートルと、100の集落を掌握していると述べた。BBCはこの数字について検証できていない。

シルスキー氏は、ウクライナはロシア領土を維持し続けるつもりはなく、ウクライナ東部での攻撃からロシア軍の注意をそらすことが越境攻撃を行った動機の一つだとした。ロシアは、ウクライナ軍にとって重要な拠点で、主要な鉄道駅がある東部ドネツク州ポクロフスク市を占領しようとしている。

国産弾道ミサイルの発射実験に初成功と

ゼレンスキー氏はこの日、ウクライナが最近、国産の弾道ミサイルの発射実験に初めて成功したことも明らかにした。同氏は自国の防衛産業をたたえたが、ミサイルの詳細については言及を避けた。

ウクライナはすでに、アメリカから供与された弾道ミサイルを対ロシア攻撃に使用しているが、欧米の援助への依存度を下げるために国産軍用装備品の開発に取り組んでいる。

しかし、ロシア軍と戦い、ロシア軍を撃退するための軍需品のほとんどを、海外からのものに頼っているのが現状だ。ゼレンスキー氏はフォーラムで、ウクライナはここ数日のロシアによるミサイル攻撃の一部を迎撃するために、西側諸国から新たに届いた複数のF-16戦闘機を使用したとしつつ、自国にはさらに多くの戦闘機が必要だと述べた。

ロシアは27日まで2日連続で、ウクライナ各地にドローン(無人機)やミサイルによる攻撃を仕掛けた。複数の死者が出たほか、多くの地域で停電を引き起こした。

ロシア政府に戦争をやめる意思がないことを、こうした攻撃が示していると、ゼレンスキー氏は述べた。「(和平交渉を)彼らが望んでいるなら、230もの空爆は行わないはずだ」。

クルスク州への越境攻撃以降、ロシア側はウクライナとの和平交渉には一切応じない姿勢を示している。

クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は27日、「現時点で、交渉に関する話題はほとんど妥当性を失っている」と述べた。

(英語記事 Ukraine to present 'victory plan' to US - Zelensky

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/ce8dg21g6qno


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