2024年12月12日(木)

勝負の分かれ目

2024年9月16日

 被災地に笑顔が広がってほしい――。フィギュアスケート男子で五輪2連覇を果たしたプロスケーター、羽生結弦さんが15日、被災地への思いと祈りを込めて、金沢市内で開催された「能登半島地震復興支援チャリティー演技会」に出演した。

チャリティー演技会で、被災地への思いを込めた羽生結弦さん(Ⓒ矢口亨、以下同)

 会場は無観客ながら、能登の4カ所ではパブリックビューイングが開催され、ドコモの映像配信サービス「Lemino」が全国に独占生配信。収益が被災地へ寄付される視聴チケット(税込み4500円)は、13日時点で1万人以上(主催者発表)が購入し、30日まで見逃し配信もある。

 自らのスケートと表現力で、被災地の一助になる――。そんな思いで五輪2連覇を成し遂げ、プロスケーターとして卓越したスケートを磨き上げてきた羽生さんが、故郷の東日本大震災の地だけではなく、金沢の地にも降り注いだ。

被災者のための精緻な演技

 会場にアナウンスが響く。

 「続いてのスケーターは羽生結弦。オリンピック2連覇を成し遂げたスケート界のレジェンド。(被災地の方々が)少しでも笑顔になれるような、癒やされるような時間にできれば。そんな思いを胸に、全身全霊で滑ります」

 優しいピアノの旋律が被災地のリンクに響く。

 大トリで登場した羽生さんが情感たっぷりと「春よ、来い」を舞った。

 しなやかなスケーティングは優しさに包まれ、一つずつの動きは視線にも、指の先にまで細やかに神経を研ぎ澄ませる。卓越したスケーティング技術で緩急を演出し、代名詞のハイドロブレーディングは体を水平に沈ませ、氷上をはうように滑る。


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