2024年12月22日(日)

勝負の分かれ目

2024年3月11日

 東日本大震災から13年を迎える中、フィギュアスケート男子の五輪2連覇の実績を持つプロスケーター、羽生結弦さんが座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata 2024」が、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで8~10日に開幕した。プロ転向〝元年シーズン〟から2年連続での開催となった。

東日本大震災時に16歳だった少年が唯一無二の演技を提供した(写真は2022年11月のアイスショー「プロローグ」。Kenta Harada / 特派員/gettyimages)

 仙台で練習中に被災したあの日、羽生さんが避難所へ向かう夜道で見上げた夜空に広がっていたのは、満天の星空だった。その光景に心を救われた当時16歳の少年はやがて五輪2連覇を果たしてスポーツの枠を飛び越えた唯一無二の存在となった。イタリア語で「満天の星」を意味する公演タイトルでスケーター仲間とともに被災地へ舞い降り、祈りと希望への思いを込めた演技を届けた。

「13年間の思いをプログラムに表現」

 開場前から会場周辺は数多くの屋台が並び、大勢のファンでにぎわいを見せていた。海外から足を運んだ人たちの姿もあった。屋外テントに設けられたショー関連のグッズショップでは、グッズを紹介する写真の上に次々と「SOLD OUT」のテープが貼られていく。

グッズは続々と「SOLD OUT」の紙が貼られていった(筆者撮影、以下同)

 宮城県や会場がある同県利府町の特産品を扱うブースもあり、店頭にいたスタッフは「羽生さんのファンの方々にたくさんご購入いただいています」と笑みを浮かべた。その隣には羽生さんが被災し、その後に多額の寄付をしているアイスリンク仙台の「アイリンショップ」の出店もあった。

 「3・11から12年。幸せなことの中には、たくさんの辛いこと、苦しいことがありました。それでも、多くの方々の支えや応援、声があって、ここまでスケートと共に生きてきました。今度は僕からもいい続けます!「頑張れ!」」2023・3 羽生結弦

 羽生さんが昨年、サインとともにしたためたボードが店頭に飾られていた。

会場には、羽生結弦さんの被災地への〝思い〟も言葉として伝えられている 写真を拡大

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