2024年10月4日(金)

BBC News

2024年10月4日

アメリカのジョー・バイデン大統領は3日、イスラエルがイランの石油関連施設を攻撃する可能性について、イスラエルと協議していると述べた。

イスラエルは、1日にイランが少なくとも180発の弾道ミサイルをイスラエルに発射したことを受け、報復措置を取る構えを示している。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランが「重い代償を払うことになるだろう」と述べている。

バイデン氏はこの日、イスラエルがイランの石油関連施設を攻撃するのを支持するかと記者団から問われると、「私たちはそれを協議中だ。それは少し......まあともかく」と答えた。

ホワイトハウスから移動間際のとっさの発言で、米政府の姿勢を明示するものではなかった。

バイデン氏はまた、イスラエルが3日に報復を開始するとは思っていないと記者団に説明。

イスラエルがどんな攻撃するのを認めるのかと聞かれると、「まず第一に、私たちはイスラエルに何かを認めるわけではない。イスラエルに助言するのであり、今日は何も起こらない」と答えた。

この発言があった直後、原油取引の指標となるブレント原油価格は5%上昇した。イランがイスラエルに大規模ミサイル攻撃を実施した1日以降では10%の上昇となっている。

イランは世界7位の産油国であり、イスラエルとの間でさらなる攻撃の応酬となることへの懸念が、市場の緊張を招いている。特に恐れられているのが、状況悪化によるホルムズ海峡の封鎖だ。同海峡は、世界の石油の3分の1と液化天然ガス(LNG)の5分の1がタンカーで通過する。

まず石油施設を攻撃との見方

米政府関係者がロイター通信に語ったところでは、アメリカは、イスラエルが「まだ具体的に何をするか検討中」だとみているという。

イスラエルのメディアは政府関係者らの話をもとに、同国がまずイランの石油施設を攻撃する計画を立てているようだと報じている。イランが反撃に出れば、イスラエルは核施設への攻撃へと移る考えだと伝えている。

バイデン氏はこれまで、イスラエルがイランの核施設を攻撃することは支持しないと述べている

核施設への攻撃は、ナフタリ・ベネット元首相らイスラエルの一部の人々が提唱。ベネット氏は「中東の様相を一変させ」、「テロリスト政権を機能不全に陥れる」ことができると主張している。

一方、イラン軍のモハマド・バゲリ統合参謀総長は2日、イスラエルが報復攻撃に出れば、イランはイスラエル全土でインフラを攻撃すると、国営テレビで述べた。

イランは1日のイスラエルに対するミサイル攻撃について、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスの政治部門トップだったイスマイル・ハニヤ氏、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者だったハッサン・ナスララ師、イラン革命防衛隊のアッバス・ニルフォルーシャン司令官の殺害に対する報復だとしている。

(英語記事 Biden says US discussing possible Israeli strikes on Iran oil facilities

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cwy95ykz12po


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