豪州の2024年ブルーセキュリティ・プロジェクト・フェローのニール・ベネットが、豪州はグレーゾーンでの対応のために沿岸警備隊を設立すべきだと2024年8月30日付のASPI(豪州戦略政策研究所)のサイトで述べている。
豪州は、南シナ海における中国の領土拡大に向けたグレーゾーン作戦に対抗するため、沿岸警備隊を設立すべきである。中国は、沿岸警備隊や民間船舶、漁船を利用してその存在感を示しており、豪州や地域のパートナー国も同様の対応をする必要がある。
軍事能力を持った沿岸警備隊は、効果的に中国の侵略に「比例対応」を行えるし、海軍対海軍よりも緊張を高めるリスクが少ない。豪州が沿岸警備隊を持てば、中国の作戦に対抗するために米沿岸警備隊との協力関係をさらに強化できる。
豪州に沿岸警備隊が必要かどうかは、これまでも議論されてきた。専門家達は、豪州海軍(RAN)には自国の沿岸を守り、同盟国を支援し、国外での国益を守るためには資源が不足していることを指摘している。設立される沿岸警備隊が、地元の警察活動や国境警備の任務を担うことで、海軍の任務を軽減し、海軍は戦闘準備に集中できるようになる。
島国である豪州は、物資や安全保障部隊の移動のために海上交通路(SLOC)に依存しており、中国の領土主張はこれらの重要な通路を制限する可能性がある。豪州は、自由で開かれたインド太平洋へのコミットメントを表明している。
中国は沿岸警備船や表向きは民間の漁船を使い、南シナ海でグレーゾーン作戦を着実に進めている。グレーゾーンでの戦いに勝つためには、米豪もまたグレーゾーン作戦を使い、民間船や沿岸警備船を派遣する必要がある。
警察活動の協力は、中国の作戦への比例対応のモデルとなるかもしれない。「ハリエット・レーン」の配備は、米国が中国の沿岸警備隊に対抗するための力を発揮する範囲を提供するものだった。