豪州には、米国日本のような沿岸警備隊、海上保安庁のような独立した機関はない。海洋警備などの業務は、種々の連邦政府機関や州政府の機関に分散されている。
しかし、現行体制は余りに複雑である。種々の連邦政府機関等を束ねるのは海洋国境司令部(豪州軍と豪州国境部隊が共同運営)で、同司令部は豪州連邦警察、豪州漁業管理機関、豪州海洋安全機関等と協働することとなっている。
さらに高まる沿岸警備隊の重要性
沿岸警備隊の役割は、軍にはない、柔軟な手段として一層重要になっている。中国の海警局艦艇に対応する対象的な手段として重要であるばかりか、主要国の沿岸警備隊(日本では海上保安庁)の間の国際協力の相手としても重要になっている。例えば、今年5月海上保安庁は専門家4人をマーシャル諸島に派遣し、海上自衛隊と連携して同国海上保安機関職員に対する能力向上支援を実施した。