Economist誌9月7日号が、ミャンマー第二の都市マンダレーを目指す少数民族の連合体Brotherhood Allianceの動き、およびミャンマー内戦への中国の関与の様子を報じている。主要点は次の通り。
9月3日の明け方、マンダレーにロケット砲が着弾した。今年に入って3度目である。
標的は軍の中部地域司令部が置かれている昔の宮殿の敷地である。中国と薄暗い関係を有するBrotherhood Allianceと称する少数民族の連合体のうちの二つのグループが軍事政権との戦いをミャンマー第二の都市マンダレーに拡大する勢いである。砲弾は恐らく中国の設計によるものである。
昨年10月、Brotherhoodを構成するMNDAA(シャン州のコーカン族の武装組織)が北東部のシャン州の中国との国境地帯で攻勢を開始したが、これは中国が陰で糸を引いてやらせたもののようである。MNDAAは国境地帯をたちまち制圧、軍はこの都市からの撤退を余儀なくされた。
Brotherhoodのもう一つのグループはTNLA (シャン州のタアン族の武装組織)である。彼らは昨年の攻勢ではMNDAAを支援する役割にとどまったが、マンダレー襲撃では指導的役割を担う構えである。
これら二つのグループは軍にとって最も手強い相手である。また、TNLAの支持によって、ほぼビルマ族で構成されるマンダレーのPDF(People’s Defense Force:民主派の武装組織)のメンバーは規律ある叛乱者となった。
6月25日、MNDAA、TNLAおよびマンダレーのPDFは軍事政権に対する攻勢を再開した。8月3日、MNDAAはシャン州のハブであり北東部司令部が置かれている人口20万のラシオを攻略した。この規模と重要性のある都市が少数民族の武装組織の手に落ちたことは、歴史上かつてなかった。多くの人が軍は崩れ始めたのかも知れないと考え始めた。
同時に、TNLAはマンダレーを目標としており、近くまで接近している。彼らはマンダレーのPDFやその他のビルマ族の部隊をマンダレー近郊に潜入させているが、9月3日のロケット砲の攻撃はこのうちの一つのグループによるものであろう。