ワシントンポスト紙コラムニストのキース・リッチバーグは2月23日付同紙掲載の論説‘A decent future for Myanmar is within reach — if the U.S. acts now’(米国が今動けばミャンマーのまともな未来は実現可能)において、最近の反乱軍による反攻成功の機会を捉え、米国はミャンマーに関与すべきだと論じている。要旨は以下の通り。
ミャンマー軍事政権は、反政府勢力の抵抗で撤退している。反乱軍は2021年のクーデター後出てきた抵抗勢力で、10月の反撃開始以降、数百の町や軍の拠点を占拠した。1月には、国軍は、シャン州中心都市ラウッカインが反乱軍の手に落ち投降するという最も屈辱的敗北を喫した。
切羽詰まった軍は、最低2年間若者を徴兵する計画を発表。結果、数千人がタイに逃亡しヤンゴンの西側大使館にビザの行列ができた。
だが、これは国軍が崩壊しかかっていることを意味しない。国軍は主要都市の防衛しやすい場所に撤退し長期戦に備えており、地上で追い詰められている一方、民間人への空爆を繰り返している。
反乱軍の無人機使用は効果的だが、国軍の優勢を変えられていない。国軍は百戦錬磨で良く装備され組織化されており、民間人に対し残虐だ。反乱軍は民族的地域的に分断されている。
ミャンマーには約13万5000人の20の民族民兵組織がある。21年のクーデター後に編成された元正統政府メンバーからなる国家統一政府(NUG)の軍事部門PDFには6万5000人の戦闘員がいるが、その多くは山岳地帯に隠れていた元学生で、重装備や統一指揮系統はない。
最近の軍の敗北は、PDFではなく民族民兵によるものだ。反乱軍の決定的勝利はまだ相当先の話で、長期化の方があり得るシナリオだ。