BBCの前政治編集長、ローラ・クンスバーグ司会者が、予定していたボリス・ジョンソン元英首相へのインタビューを中止した。クンスバーグ氏がジョンソン氏に誤って、インタビューに向けた事前資料のメモを送信してしまったため。
「ボリス・ジョンソン:ローラ・クンスバーグのインタビュー」は、4日夜にBBCのテレビチャンネル「BBC One」で放送される予定だった。
しかしクンスバーグ氏は3日夜、同僚向けに用意した事前資料をジョンソン氏に共有してしまったことをソーシャルメディアで明らかにし、インタビューを予定通り行うのは不適切になったと述べた。
クンスバーグ氏はこの出来事を「恥ずかしいし、がっかりする」ことだと表現したが、「赤面はさておき、正直が最善の策」だと述べた。
BBC広報は、ジョンソン氏のチームと、インタビュー中止が「最善の策」だと合意したと述べた。
ジョンソン氏は現在、新しい回顧録の宣伝のために複数メディアのインタビューに応じている。この回顧録は最近、新聞でも連載されている。
司会者は通常、主要なインタビューの前に、調査チームと協力して事前資料を作成する。
これには、対象者の経歴資料の収集、議論になっている争点の見極め、質問案の作成といったプロセスが含まれる。
クンスバーグ氏はX(旧ツイッター)で、「明日のボリス・ジョンソン氏へのインタビューの準備をしている際、チーム宛のはずだった事前資料のメモを、誤ってジョンソン氏に送ってしまった」と説明した。
「つまり明らかに、このインタビューは行うべきではない。とても残念だ。恥ずかしいし、がっかりする以外の何ものでもないと、隠しても仕方がない。重要な質問が山ほどあったのに」とクンスバーグ氏は書いたうえで、「赤面はさておき、正直が最善の策。日曜日にまた会いましょう」と結んだ。
クンスバーグ氏は毎週日曜朝の政治番組「サタデー・ウィズ・ローラ・クンスバーグ」を司会しており、「日曜日にまた会いましょう」とはその番組の意味。
BBCも声明で、「3日のボリス・ジョンソン氏とのインタビューは中止になった」と発表した。
「ローラが説明したように、同僚向けのインタビュー資料が誤ってジョンソン氏に渡ってしまった。これにより、明日のインタビューは難しくなった。このため、BBCとジョンソン氏のチームは、これが最善の策だと合意した」
クンスバーグ氏は先週末の自身の番組で、ジョンソン氏へのインタビューは「(同氏が)首相官邸を劇的に去ってから初めて」のものになると語っていた。
BBCは3日の番組表について、インタビューの代わりに長寿人気ドラマシリーズ「イーストエンダーズ」を通常の午後7時半からの枠に戻したと発表した。
ジョンソン氏は8日にBBCの別のジャーナリスト、マット・チョーリー氏によるラジオでのインタビュー番組「5 Live」にも出演する予定だ。