2024年10月21日(月)

BBC News

2024年10月21日

米大統領選の投票日が16日後に迫った20日、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領はともに激戦州を訪れ、相手候補への個人攻撃を強めた。

トランプ候補は、ペンシルヴェニア州のマクドナルドでフライドポテトを調理し提供した。ハリス候補は数十年前にマクドナルドで働いたことがあると話していることについて、トランプ候補はこれを疑う発言を繰り返している。

一方、ハリス候補はジョージア州を訪問した。トランプ候補について、「疲れ果て、不安定で、アメリカの大統領にふさわしくない」とソーシャルメディアに投稿した。

世論調査では、両者は全国で大接戦となっている。選挙の結果は七つの激戦州の行方で決する可能性がある。

トランプ候補、マクドナルドでポテト提供

トランプ候補はこの日午後、伝統的に共和党寄りのペンシルヴェニア州ランカスター郡で演説。浮動票の取り込みにつながると陣営がみている、経済と移民の問題を重点的に取り上げた。

トランプ候補は、「世論調査を見ると、一番大きいのは経済だ」、「だがこれ(国境問題)は経済より大きいと思う。(中略)人々はそのことについて一番、話したいと思っている」と述べた。

演説の前、トランプ候補はフィラデルフィア郊外のフィースターヴィル・トレヴォースにあるマクドナルドを訪問。フライドポテトの調理方法を教わり、金属製バスケットを油の中に沈め、出来上がったものを詰めてドライブスルーの窓口で提供した。

トランプ候補の訪問中、店側は店内に客が入れないようにしていた。

トランプ候補は「私はこの仕事が好きだ」と語った。同候補はビッグマックとフィレオフィッシュが大好きなことで知られる。

同候補はまた、ハリス候補がかつてマクドナルドで働いたことがあるというのは「うそ」だと改めて非難。「これで私は、カマラより15分多く(マクドナルドで)働いた」と述べた。

ハリス陣営のイアン・サムズ広報担当は、おぜん立てされたトランプ候補のマクドナルド登場は候補がいかに「必死」かの表れだとBBCにコメント。

「彼はうそをつくことしか知らない」、「夏休みのアルバイトがどんなものか、彼は理解できない。苦労せずに何百万ドルも譲り受け、それを無駄にした人物だからだ」と述べた。

ハリス陣営は、ハリス候補が1983年の夏、カリフォルニア州アラミダのマクドナルドで、レジ打ちのほか、アイスクリームやフライドポテトの機械を操作していたと説明している。

この店舗で当時、高校生として働いていた男性は、一緒に仕事をしていた人はたくさん覚えているが、ハリス候補がいた記憶はないとBBCに話した。

一方、米紙ニューヨーク・タイムズは、ハリス候補がそのころマクドナルドで働いていたことを覚えているという、同候補の高校時代の友人ワンダ・ケイガン氏の話を報じた。

ハリス候補、黒人礼拝者らに呼びかけ

ハリス候補は20日、60歳の誕生日を迎え、米放送局MSNBCのインタビューに応じた。司会者からは、トランプ候補がペンシルヴェニア州ラトローブで19日に開いた集会で、ハリス候補を「クソ副大統領」と呼んだことについて聞かれた。

ハリス候補は、トランプ候補の言葉遣いは大統領の「職をおとしめる」ものだと批判。再び大統領になる「権利を彼は得ていない」と付け加えた。

ハリス候補はこのインタビューに先立ち、ジョージア州アトランタ近郊の教会で黒人の礼拝参加者らに向かい、トランプ候補が象徴する「混乱、恐怖、憎しみ」に反対する投票行動を呼びかけた。前日には、同市で開かれた集会で、トランプ候補を「残酷」だと述べた。

こうしたなか、米電気自動車大手テスラと宇宙会社スペースXの創業者で大富豪のイーロン・マスク氏は、合衆国憲法を支持する請願書に署名した有権者に1日1人ずつ100万ドルを贈ると表明した。マスク氏はトランプ候補を支持している。

ペンシルヴェニア州のジョシュ・シャピロ知事(民主党)は、この計画について「非常に気がかり」なものだとした。

世論調査では、大統領選の結果を左右し得る激戦州のペンシルヴェニア州で、ハリス候補とトランプ候補が大接戦となっている。

有権者の考えは

20日にペンシルヴェニア州ランカスター郡であったトランプ候補の対話形式のイベントでは、多くの参加者が「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」と書かれた真っ赤な帽子をかぶり、トランプ候補への支持を示すプラカードを振った。同候補の発言は、ほとんどの人が受け入れていた。

しかし、参加者のジョーダン・アシュビー氏は、まだ投票先を決めておらず、両候補の最後の訴えを聞くのを待って決めるとBBCに話した。

ランカスター郡在住のアシュビー氏は、「本当にまだわからない」、「私には国境フェンスの両側に家族がいる。今は難しい時期だ」と述べた。

参加者の中には、メキシコとの国境管理を強化し、インフレを抑えるというトランプの公約に引かれると話す人もいた。

今年初めて投票するという大学生のブレナン・ゼヤック氏(18)は、「(インフレは)日常生活でよく目にしていて、特にガソリン代や食料品を買うのが大変になっている」とBBCに話した。

両候補は21日も選挙戦終盤の演説を続ける。

ハリス候補は同日、ペンシルヴェニア、ミシガン、ウィスコンシン各州を遊説する。

トランプ候補はハリケーンに見舞われたノースカロライナ州アッシュヴィルに向かい、その後にグリーンヴィルで集会を開く。

(英語記事 Trump and Harris trade bitter attacks in battleground blitz

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cp95dgkp714o


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