2024年11月25日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年2月3日

 日本は、中国から主導権を取り戻そうとしている。米国は、中国が守勢にまわることを余儀なくさせる戦略をリードする機会にある、と述べています。

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 安倍政権の国家安全保障戦略に対するエールです。アジア史における転換点になるかもしれない、と指摘しています。あるいは、あと何年か経った後、それが正しい指摘となる可能性もあると思います。

 中国の戦略にとって死活的な重要性を有する第一列島線にまさしく位置し、高度の戦闘能力を要する日本がその防衛に積極的になることは米国にとって望ましく、米国はそれを支持すべきだと論じています。

 なお、クリングナーも、ヘリテージの12月リポートに、米国は、集団的自衛権の行使を含む、日本の防衛政策に対して支持を与えるべきであり、韓国に対しては日本に不平を言い続けるのではなく、日本と協力関係を築くよう要求すべきだと論じています。

 ワシントンの知日派は、安倍内閣の国家安全保障政策に全面支持の姿勢です。当然と言えば当然ですが、それが望ましい形です。

 米国の政策は、最終的には大統領によって決定されますが、それに至る過程では世論があり、議会があり、行政府があり、ホワイトハウスがあります。そして、その世論の背後には、有識者、専門家による意見とマスコミの評論があります。特に外交政策については地域専門家の意見に影響力があります。まず地域専門家の支持のないような政策は、たとえ、世論、議会が一時的に支持しても、米政府の政策とまではなかなか固まりません。

 現在の米政府は、中国に対して刺激的な政策を取ることには慎重なようですが、日本関係専門家が一致して支持するような政策ならば、行政府、ホワイトハウスとしても、結局は支持することとなるでしょう。

 政策広報における、地域専門家、有識者の重要性を改めて認識させられる、有り難い論文です。

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