小さな改革の実践の延長に
ある日の世話役会での様子を話しましょう。
「あのぅ、黄色い帽子ですが、息子の頭が大きくなってかぶれなくなってきたんですが新しいのを買ったほうが良いのでしょうか?」と、2年生の世話役さんの若いお母さんがおどおどしながら質問しました。
「校長先生、いかがでしょうか?」と、この日の司会役が校長さんに尋ねました。
すると、校長さんは言いました。
「えー、黄色い帽子は、お子さんが登下校時に交通安全ができるようになったならば新しいのを買わなくても良いですよ」とね。
学校の最高責任者である校長さんからこのようにきちんと応えてもらえれば、親は安心しますよね。
また、別な日の世話役会ではこのようなこともありました。
「1年の息子は傘の柄が折れて帰ってくるのですが……」と、困った顔の若いお母さんの世話役さん。
「いかがでしょうか、校長先生」と、またまたこの日の司会者は校長さんにふりました。
「そうですか、では傘立てを見に行きましょう」と、みんなを誘い、昇降口の子どもの傘立てを見に行きました。
「あっ、1年生から6年生まで傘立ての高さが同じだからなんだなぁ」と校長さん。
傘立てを見ると、底までの高さが1年用から6年用まで同じ高さであるために、入学したての1年生の短い傘は、傘立てに入れると柄元までがすっぽりと入っちゃうんです。
で、柄が傘立て内で開き、開いた状態のままの傘を子どもが取り出したら柄が仕切りの枠に挟まり折れてしまうことがわかりました。
「では、用務員さんに底上げを頼んでみましょう」と校長さんが言いました。
で、一週間後には低学年用の傘立ての底上げができていました。
このことも、「PTAって何でも話していいんだ」との役割を果たしたと思うんです。
これらの「意見には一切タブーはない」ことの小さな改革の実践の延長に、会員自身がメリットを感じるPTAとなっていったと思うんです。
で、さっき「産んだだけでは親になれない」って言ったけど、マジにそう思うんだよね。だって、誰だって親になるのは初めてなんだからさ。だからこそ、同じような不安や悩みを持っているかもしれない親の集まりであるPTAで、会員同士が互いに「親になるべく学びあう」必要があるんだろうと思うんです。
ということで、あなたもぜひPTAに参加してくだしゃんせ。そんな「権利」は、お子さんが子どものうちの数年しかありませんからね。
では次回まで、アディオス! アミ~ゴ!
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