「おいしい」の先を考える
久しぶりに日本へ戻り、おせちも食べたし、家での食事も、外食もした。大人になって好きになったものもあれば、子供の頃から変わらず好きなものもある。ブルキナファソに来てから始めて懐かしく思った日本の味もある。あぁ、あれ食べたいなあ、という欲求に素直に従っていた日本での滞在中、正直に告白してしまうと、試食会でおもしろいなと感じた様々な意見のことはさておき、人にとって「おいしい」というもっともシンプルな感想が1番だなと思えた。久々に家族や友人に会い、なんだかすっかり身ぐるみ剥がされて自分の中の単純な部分しか残らなかったような気分である。とにもかくにもおいしいのは基本。
そんなリセット期間を経て、また、ブルキナファソに戻って農家の人々と出会うと、この人達と、「おいしい」だけでないその先を考えようという気持ちが湧いてくる。おいしいうえに、選ばれるために必要な条件を満たすもの。勤勉なブルキナファソの人々が脈々と作り続けてきたものに、どうすればさらに魅力を追加できるのか。私が出会った農家の人々もそれを考え始めている。ブルキナファソにも変化の兆しが見えている。
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