まず、最大の特徴は「なんの権威付けにもよらない」ということだ。
たとえば米ドルは米国、日本円は日本の中央銀行が発行しているが、基本的には国家の権威と信用においてその価値が認められている。国家は自国の通貨を設定、管理し、その価値を保証して流通させ、使用者はそれを信用して使用する。
また、支払いを受け入れる側は、自国通貨での支払いであればそれを拒むことは法律上できない。当然、その仕組みの担保のため、紙幣偽造等の不正のチェックは、本来の発行者である国家が厳しく行うこととなる。
また、電子決済であれば、あるサービス(たとえばPayPalなど)のホストコンピュータがシステムを管理し、クレジットカード等のリアルなアカウント(口座)と紐付いて機能する。
ビットコインの場合は、ただ「有限のコインがごまかしなく(二重使用や捏造などの不正がなく)使われた」という事実を証明する記録の正しさを、使う側が承認するだけである。
その確からしさは、PtoPネットワーク(中心を持たないネットワーク)に繋がったコンピュータのパワーの合計が、攻撃者(改竄勢力)のコンピュータパワーよりも上まわり、ビットコインが公開設定している難解な暗号を攻撃者よりも早くに解き続けることによって担保されている(これにより正しく台帳が公開、更新され、次の暗号が設定される)。
このPtoPネットワークによる大勢の参加者の演算パワーが源泉となっているところがビットコインの肝所であり、「どのような権威からも支配を受けない通貨」という存在を可能にしている。
PtoPネットワークの特徴は、各PCどうしがそれぞれ有機的につながった総体であり、特定の中心を持たないネットワーク形態にある。これはつまり、ビットコインには特定の管理者がいないということだ。それゆえ、特定の者の意向や権力の強制を受けにくい性質が確保されているが、このようなビットコインの性質は、低い手数料(機動性)と高い匿名性を支えるものでもある。このあたりに使い勝手のよさを感じるユーザーたちによって、ビットコインは支持されているものと思われる。
ビットコインの本質的な価値希少性
ビットコインの仕組みにおいては、数量の有限性があらかじめ設計されている。そのことからビットコインの価値は保証される、という意見がある。