2024年11月27日(水)

中国メディアは何を報じているか

2014年3月17日

 この事件は指導者たちの激怒を引き起こした。習近平総書記は規律検査委員会の会議でこの事件を取り上げ、「衡陽の共産党員はどこに行ったのか」と声を荒げ、6回も「どこに行ったのだ?」と繰り返したという。

 衡陽の人民代表大会(議会)は事件後、まず500人以上の市の代議員に辞職を勧告した。12月28日に湖南省の人民代表大会は選挙のインチキを公表し、贈収賄に関わった代議員に辞職を勧告する方式をとった。その後、補欠選挙が行われた。代議員の任期は5年で衡陽を代表して省の人代に参加する76人の代議員のうち56人が贈収賄容疑で辞任したため空席を補欠選挙で選ばなければならなくなった。しかし省への代表を選ぶ衡陽市の人民代表大会でも512人が辞任したためまずここの補欠選挙を行って市の代表を選ぶ必要があった。

 1月14日から17日にかけて衡陽市傘下の各区や県で人民代表大会が開かれ、市の人民代表大会に参加する代議員が選ばれた。そしてこの代表によって省への代議員が選ばれたのである。こうした理由で湖南省の「両会」が旧正月の新年明け後に開催が延ばされたのである。

 こうして選ばれた省の代議員名簿を見ると、村の党支部書記、中学の教師、道路修復ステーションの責任者、病院の主任医師、清掃職員、銀行受付従業員など基層の代表の比率が高くなった。

落選した候補者たちからのタレこみから…

 衡陽での贈収賄事件の発覚は、落選した候補者たちからのタレこみによるものだった。一番初めに「撃ち落とされた」のは衡陽市にある鑫盛置業有限公司の左建国董事長だった。2013年2月に中央テレビの記者がタレこみされた彼の贈収賄に関する資料をブログ(微博)に掲載したのである。彼は総額70万元(約1200万円)を費やして同市の代議員に当選した。

 政府報道では、この度の衡陽市での汚職額は1億1000万元(約17億円:筆者)に上り、518人の衡陽市の代議員と68人の職員が贈収賄に関わった。贈賄は1件につき5000元~7000元(約8万~11万円)程度で市の代議員は平均20万元(300万円超)、人代職員は平均14,15万元受け取った。

 会議で明らかにされたのは捜査対象の関係者は数百人に上り、当初は反発も激しかったが、のちに過ちを認識するに至り、辛抱強く聞き取りを行ったという。徐守盛書記は、事件捜査は続いており、我々社会、政治と法律の三つを統合させなければならないと主張した。今回の事件が暴露した問題に対して衡陽の同志たちは教訓を今後の仕事の糧にして身を粉にすべきだと述べた。


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