2025年12月19日(金)

モノ語り。

2025年7月12日

「和牛文化を守る」

 「缶バーグ」は、デミグラスソース味、和風ソース味に続き、昨年創業100周年を迎えてカレーソース味も発売されました。ソースごとご飯にかければ、簡単にカレーライスハンバーグが出来上がります。

デミグラスソース味(上)、カレーソース味(左)、和風ソース味(右)

 このように、おいしく食べられるハンバーグですが、畜産農家を取り巻く環境は厳しさを増しています。

 「後継者不足はもちろんですし、円安、飼料、資材費の高騰も響いています。それでも黒毛和牛を育てるのは世界に誇る日本の技術です。あるとき、某国で日本の黒毛和牛の種を何らかの方法で持ち込んで生まれ育てたという牛肉を食べました。〝さし〟が入って見た目は同じようなのですが、口に入れると全く味がしませんでした。やはり、同じ種でも、その育て方や飼料にも大きな違いがあるのです。それこそが、日本の畜産農家の技術です。私自身、この和牛文化を守るために努力していくつもりです」

 最後に、吉澤さんがとっておきの食べ方を教えてくれました。それはデミグラスソース味を砕いてボロネーゼ風のパスタにすることだそうです。間違いなく、絶品でしょう。

銀座 吉澤 東京都中央区銀座1丁目20-8 吉澤銀座一丁目ビル 03-3542-2983
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Wedge 2025年7月号より
終わらない戦争 沖縄が問うこの国のかたち
終わらない戦争 沖縄が問うこの国のかたち

かつて、日本は米国、中国と二正面で事を構え、破滅の道へと突き進んだ。 世界では今もなお、「終わらない戦争」が続き、戦間期を彷彿とさせるような不穏な雰囲気や空気感が漂い始めている。あの日本の悲劇はなぜ起こったのか、平時から繰り返し検証し、その教訓を胸に刻み込む必要がある。 だが、多くの日本人は、初等中等教育で修学旅行での平和学習の経験はあっても、「近現代史」を体系的に学ぶ機会は限られている。 かのウィンストン・チャーチルは「過去をさかのぼればさかのぼるほど、遠くの未来が見えるものだ」(『チャーチル名言録』扶桑社、中西輝政監修・監訳)と述べたが、今こそ、現代の諸問題と地続きの「歴史」に学び、この国の未来のあり方を描くことが必要だ。 そこで、小誌では、今号より2号連続で戦後80年特別企画を特集する。前編では、戦後日本の歪みを一身に背負わされてきた「沖縄」をめぐる諸問題を取り上げる。


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